朝から高い湿度のもとで、全身汗をかき家事をする。
エアコンを付ける。
汗びっしょりで朝食を食べる。
こんな時はさっぱりとシャワーなど浴びたいと思う。
しかし、朝からシャワーを浴びるには許可がいるのだ。
我が家なのに許可がいるのだ。
母に断らなければならないのだ。
以前勝手にシャワーを浴びたら怒られた。
それ以来うるさいので、朝からシャワーは浴びない。
朝シャン等はもっての他なのだ。
母といるだけで制約があるのだ。
あらゆる制約があるのだ。
暗くなったら外出出来ない。
玄関には鍵をかけられるのだ。
一番近いコンビニさえも徒歩で10分はかかるのだ。
どうやら母は私がいくつになっても子供扱いだ。
我が家はあらゆる母が制約の中で暮らしている。
一見自由なようで不自由な生活を強いられている。
すっかり老人性難聴になった母は、私が話すと聞こえないらしく、私が大声で話せば怒られていると勘違いする。
本当の意味での自由はいつになったら訪れるのか?
夫婦は息を殺し声をひそめて暮らすのだ。
いつのことやらわからないが、母を看とり、その後の自由を待ちわびている。