「僕も芥川賞受賞しました」でお馴染みの、羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」を読みました。
読んだきっかけは印象深い新聞記事を目にしたからでした。
「老人を忌み嫌う人がいることと、隣国への憎悪を口にするヘイトスピーチが繋がっていると考える」(7月18日「ひと」)
そして図書館にリクエストしました。手にした本は真新しい新書。「火花」に続き2度目でした。
87歳のおじいさんと同居している孫の話なのですが、老人の行動や心理をよく描写していることに、感心しました。
おじいさんの使う方言が深刻さを和らげ、ユーモラスにさえ思います。
「じいちゃんは邪魔やけん部屋に戻っちょこうかね」
「いっちょん覚えとらん。馬鹿になってしまった。爺ちゃんはもうだめやね。死んだらよか」
「ありがとう、お願いね、すんません」
おじいさんをわざと衰えさせ、自分は就職に備えてトレーニングをする孫なのですが、実は優しくて、孫と同居しているこのおじいさんもまだ介護は必要なく、幸せな方ではないかと思ったり…
上手に感想は述べられませんが、いろいろ考えさせられました。
おじいさんの行動や話から生前のオモニの姿を思い出したりもしました。
「火花」も面白かったけど、この本も短くて読みやすくとてもいい本でした。
若い人にも読んで欲しいお薦めの本です。