ハングル;教え、そして学ぶ

日々ハングル(韓国、朝鮮語)を教えながら感じること、韓国ドラマでみる名言。

以前、私が訳した韓国の短編小説です

2025-02-08 20:30:55 | 韓国文学 読書
ここ数年続けてきたコンクールの応募
何度も何度も諦めずに良くも続けてきたものだとわれながら感心します。
その間、表現を学ぶため意識的に読書もしました。
挑戦を止めて一年経ちました。
今読んでみると、未熟だったところもよくわかります。
深刻な内容の小説が多かったですが、その中で、ユーモアのある小説を載せようと思います。長いので
どこまでできるかわかりませんが、今日はほんのさわりだけを。

赤い実

 父は生前、自分を火葬したあとは遺骨で植木鉢を作ってくれと言っていた。それは本当に、とんでもない話だった。とはいえ、父は普段からその類の、愚にもつかないことをたびたび言う人だったので、私はついうっかり、そうするね、と答えてしまい、あれ、これっておかしい、と気づいたときは、すでに骨壷を膝に載せて家に向かうバスの中だった。

バスには斎場の前の停留所で一緒に乗ってきた人が何人かいたのだが、皆、泣いたあとか、泣いているか、今にも泣きそうな人
たちだった。それに比べると私は、弁当の入ったカバンを抱いてピクニックにでも行く人みたいだ-そう思えたとき、本当にこのまま出かけるのも悪くないほど天気はとっても良くて、風も爽やかだった。おまけに、家の近くの公園と、公園の前にあるサンドイッチ屋さんが浮かび、急に空腹まで覚えたのだ。私は、もともと降りる予定だったバス停より一つ先の、公園前のバス停で降りることにし、路線図を見た。ところがそのとき、後部座席のどこかで誰かが大声ですすり泣きを始めたせいで気分を損ね、公園には行かなかった。

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ノーベル文学賞受賞者の本のこと

2024-10-11 22:25:37 | 韓国文学 読書
またまた間が空きました。その間、書きたいことはいろいろあったのですが。

最近の話では、保護猫活動。今4匹の猫のお世話をしています。やっとスマホデビューしたこと。家庭菜園と鹿の被害を書いたエッセイが、今週水曜日に毎日新聞の地方版に掲載されたことなど。

昨日、韓国の作家はん・がんのノーベル文学賞受賞のニュースに接しました。
昨日のニュースでは詳細がわからないので、今日、 KBS の午後9時のニュースを見ました。
本屋に買い求める人が殺到しているそうです。日本でも東京のチェッコリという本屋に注文が殺到しているそうですね。

代表的な「菜食主義者」、「少年が来る」の翻訳本は数年前に読みましたが、「別れを告げない」という本も代表作だということは知りませんでした。

「少年が来る」は1980年に光州であったことをもとに書かれた本で、読んでいるとき怖かったことを覚えています。今日のニュースで主人公の元になった人の名前を知りました。「別れを告げない」も済州島であった悲惨な実際の話をもとにしているそうなので、読めそうにありません。

けれど、「ギリシャ語の時間」という本は読みやすく面白かったです。そして「すべての白いものたち」は原文を読みましたが、とても詩的で美しい文章でした。彼女は詩人でもあるそうです。

今日はこれくらいにします






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「ようこそヒュナム洞書店へ」読みました

2024-06-09 12:12:54 | 韓国文学 読書
久々に韓国の小説を読みました。本屋大賞翻訳部門の賞を取った作品だということ、翻訳者が牧野美香さんだということで図書館にリクエスト。
牧野さんは、第1回の翻訳コンクールで最優秀賞を受賞後、精力的に翻訳活動をされている方です。

350ページほどの長編で、ほぼ町の本屋を舞台にした物語。展開も緩やかなこともありゆっくり読んでいましたが、中盤くらいから主人公のヨンジュの過去が明らかになり、そのあとは一気に読み進めました。この小説は韓国で25万部以上のベストセラーで、すでに版権が世界20ヶ国以上の国に輸出されているとのこと。

主人公ヨンジュは30代の女性。会社を辞め本屋を立ち上げた。何らかの事情を抱える青年、主婦、高校生らが書店に集い交流を深めていく話。エッセイストだった作家の淡々とした筆致。対話を通じた心理描写に重きを置いた小説に思えた。

今月末、オンラインでこの小説の読書会があるようなので、参加してみようと思っています。

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韓国文学の紹介

2021-02-02 17:57:32 | 韓国文学 読書
久々の投稿です。

1月のことですが、「私は私のままで生きることにした」を読了しました。
韓国で100万部以上、日本でも翻訳本が20万部以上売れたそうです。

今は、私の住む地方の図書館にも話題の韓国文学の翻訳本が入るので、何冊もお世話になりました。
この本を手にしてまず驚いたことは、横書きで詩のように読みやすく書かれていることです。
いろんな悩みを抱える若者向けの内容です。

作者は、キム・スヒョンさん。
イラストを見ても女性だと分かるのですが、スヒョンという名前は男の人にもあるので検索してみると、
33歳のきれいな女の方でした。この本は29歳の頃に書いたようです。

そして、原題は、「ナヌン ナロ サルギロ ヘッタ」
直訳すると「私は私として生きることにした」でした。




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