「日本夜景遺産」認定の珍しい観光列車、今年も運行 快速「ナイトビュー姨捨」
「日本三大車窓」を夜景で楽しめる、「日本夜景遺産」にも認定されている珍しい観光列車が今年も運行されます。
「日本三大車窓」を行く「銀河鉄道」
「日本三大車窓」の風景を、照明を消した車内から楽しめるという一風変わった観光列車「ナイトビュー姨捨(おばすて)」が、今年2016年も運行されることになりました。
眼下に善光寺平(長野盆地)を望むことができ、古くから「日本三大車窓」のひとつに数えられるJR東日本・篠ノ井線の姨捨駅(長野県千曲市)付近。この場所は、見晴らしの良い日中も良いですが、「夜の車窓を楽しめる」のが大きな特徴です。
私(恵 知仁:鉄道ライター)は、かつてこの快速「ナイトビュー姨捨」に乗車したことがあります。
快速「ナイトビュー姨捨」は日の暮れた長野駅を発車するとほどなく、善光寺平の端へ到達。そして盆地を抜ける坂道を登っていくと、街の灯りが無数に瞬く善光寺平が車窓左側に登場し、「宝石を撒いたような」という表現がピッタリの「夜景」が眼下に広がります。
この場所で面白いのは、列車の標高がどんどん上がっていくことです。線路の周囲は暗闇ながら、眼下にはきらめく街の灯り。しかも、列車の標高が上がるにつれ、だんだんと遠く、小さくなっていく街の灯り。まるで宇宙へ向かう「銀河鉄道」のような雰囲気が楽しめます。
普通は問題がある夜景の車窓、「ナイトビュー姨捨」の解決方法は
ただ「夜景の車窓」は一般的に、大きな問題があります。車内の照明が窓ガラスに反射し、外が見づらいことです。そうしたとき私はカーテンにくるまり、昔の写真屋さんのような格好で外を眺めたりしますが、快速「ナイトビュー姨捨」はその必要がありません。夜景を楽しめるよう、車内の照明が一部を残して消されるからです。
この快速「ナイトビュー姨捨」は2015年、第11回「日本夜景遺産」選考会において「日本夜景遺産」(施設型夜景遺産)に認定されています。
快速「ナイトビュー姨捨」は、長野発18時48分の姨捨19時22分着、姨捨20時24分発の長野20時58分着と、往復で運行されるのもポイントです。姨捨駅では折り返しを待つあいだ、ホームからも善光寺平の夜景が楽しめるほか、信州味噌を使用した「お味噌汁の振る舞い」や「夜景のご案内」「姨捨伝説と民話の語り」といった、地元の人たちによる「おもてなし」を楽しむことができます。
また夜の運行ですが、長野駅到着後にまだ新幹線で東京、金沢へ移動できる時間です。
現在のところ、快速「ナイトビュー姨捨」の運転日は5月13日(金)、14日(土)、27日(金)、28日(土)、6月3日(金)、4日(土)、17日(金)、18日(土)、24日(金)、25日(土)。7月以降については決まり次第、発表されます。
列車は快速、全車指定席での運転で、乗車には運賃のほか指定席券が必要。長野・篠ノ井〜姨捨間を往復する乗車券と指定席券がセットになった「ナイトビュー姨捨往復きっぷ」(長野駅発の場合、おとな1人1030円)や、郷土料理が盛り込まれた「ナイトビュー姨捨弁当」付きのツアー商品「ナイトビュー姨捨 夜景ツアー」(おとな1人2500円)を利用することも可能です。
JR東日本長野支社は「この機会にいつもとは一味違う夜の列車旅を楽しんでみませんか」としています。
自分の場合、姨捨サービスエリアからの夜景しか見たことがないけど、それでも美しかった~!