民進党代表選(9月2日告示、15日投開票)をめぐり、共産党との共闘の在り方や、憲法改正への対応といった争点がぼやけつつある。既に立候補を表明し最有力と目される蓮舫代表代行が、党内の保守系、リベラル系双方に配慮して主張に曖昧さを残しているためだ。出馬を模索する前原誠司元外相も、自らへの支持拡大を狙って本来の強い保守色を封印しており、路線の違いが見えにくくなっている。

 野党共闘について蓮舫氏は、「基本的な枠組みは維持しつつ、さらに検討する」との立場。岡田克也代表ら現執行部の後押しを受ける蓮舫氏は、岡田氏らの方針を大筋で踏襲している。同時に、共産党との連携に批判的な保守系の取り込みを意識し、共闘路線を見直す余地も残しており、5日の出馬会見では「民共」連立政権を明確に否定した。

 一方、保守系代表格の前原氏は、赤松広隆前衆院副議長らリベラル系との連携を模索し、持ち前の歯切れの良さを失っている。共産党との選挙協力について昨年11月には「シロアリみたいなものだ。土台が崩れる」と反対していたが、8日発売の月刊誌の対談では「政策がないまま枠組み論になることのリスクを伝えたくて、あのような発言をした」と釈明。「政策論議を深め、共闘のフェーズ(段階)を進化させる」と強調し、条件付きながら容認論に転換した。

 憲法改正では、蓮舫氏が衆参の憲法審査会での議論に「積極的に参加する」と踏み込み、保守系議員から一定の評価を受けた。一方で、「9条は絶対に守る」ともしていることから、蓮舫氏の姿勢には「八方美人」(保守系中堅)との指摘も出ている。

 前原氏は今年1月のブログで「憲法改正は必要」と訴え、戦力不保持を定めた9条2項の見直しに言及した。ただ、月刊誌では「国民の間では、9条が戦争への歯止めになっているとの思いは浸透している。慎重な対応を取らなければならない」と軌道修正した。 


さすが烏合の衆…。