2017年1月4日 聖教新聞
創価大学のタスキには、選手、サポートメンバー、スタッフ、マネジャーらの名前が記されていた。
「タスキをつなぐ」――チーム全員の思いの結晶である。
「持ちタイムでは他校に及びませんが、私たちには、抜群のチームワークがあります。その力を、箱根の舞台で証明できたと思います」(久保田満ヘッドコーチ)
2日午前8時、創価のタスキリレーは副主将の大山憲明選手(3年)から始まった。「少し出遅れてしまったが、皆の思いを糧に粘りました」
2区のムソニ・ムイル選手(1年)は「タスキを受け取った瞬間、勇気が湧いた。絶対、次に託さなければならないと思いました」と初のタスキリレーを振り返る。区間4位。見事な7人抜きで10位に順位を上げた。
3区の蟹澤淳平選手(3年)はその流れに乗って、攻めのレースを仕掛けた。「平塚でセルさんが待っていると思うと、安心して走れました」。区間7位。創大は7位につける。主将として気を吐いた4区のセルナルド祐慈選手(4年)。「最初の3キロ時点で、体がきつい状態でした。しかし、皆の思いが詰まったタスキを握りしめたら“負けられない”と思った。気持ちで押していきました」。区間5位の力走で、チームを5位まで押し上げた。
山上りの5区に挑んだ江藤光輝選手(3年)。「1桁順位で復路につなげる」との一心で険しい山道を越えた。そして、創大は、堂々の9位で往路をフィニッシュした。
3日の復路。山下りの6区を担ったのは作田将希選手(2年)。「山下りの負担は想像以上で、思うように足が動かなくなってしまった。本当に悔しい。でも、“古場にタスキをつなぐ”との思いだけで前に進みました」
7区の古場京介選手(2年)は故障に苦しみながら、やっとの思いで大舞台に立った。「最後まで諦めない思いをタスキに託しました」
8区の米満怜選手(1年)は「とにかく前へ」と大激走を見せ、区間3位。「ルーキーながら、堂々とした走りで良い流れをつくってくれた」とスタッフ。15位から12位にまで順位を上げ、9区の三澤匠選手(3年)につないだ。「一番苦しかった10キロ付近で、沿道から、メンバー入りできなかった仲間が『頑張れ』と叫んでくれた。気持ちが入りました」。レースの流れをキープした三澤選手からタスキを受けた、最終10区の彦坂一成選手(4年)。意地の走りで前の選手の背中を果敢に追い続けた。区間8位。「初出場時は、繰り上げスタートになってしまったが、今回は、最終区までタスキをつないでくれました。今度は“後輩につなげる走りを”との一心で攻めました」
そして、総合12位という大健闘の結果でゴールテープを切った創価大学駅伝部。瀬上雄然監督は語る。「皆さんの声援が、チームの大きな力になりました。心から感謝申し上げます。一人が遅れても、皆でカバーし合い、チーム一丸でタスキをつなぐことができました。この経験を、未来の箱根路につなげます!」
――10区間の激闘を終え、タスキにつづられた一人一人の名前は、汗でにじんでいた。創大の新たな歴史の始まりを告げる“象徴”である。
元気をもらったよ! ありがとう!