【共産党大会】アレルギー払拭に懸命の志位和夫委員長だが…蓮舫代表は「政権打倒まで」 見えぬ連合政権
共産党の第27回党大会で民進、自由、社民3党の幹部が初めて来賓として出席、壇上で手をつなぐ(左から)民進党の安住淳代表代行、共産党の志位和夫委員長、自由党の小沢一郎代表、社民党の吉田忠智党首=15日午後、静岡県熱海市の共産党伊豆学習会館(酒巻俊介撮影)
(産経新聞)
15日開幕した共産党大会は、来賓の民進党の安住淳代表代行らが満場の拍手で迎えられるなど、野党共闘ムードに包まれた。しかし、民進党は次期衆院選で共産党が求める候補の相互推薦は断る方向で、民共で候補が競合する197選挙区の調整の難航は必至だ。共産党の志位和夫委員長は日米安全保障条約の廃棄など党独自の立場の主張を控える意向だが、党綱領は堅持する方針。目指す「野党連合政権」への道筋は見えない。
小沢代表が急遽登場、4野党で手携え
「3年前の前回大会は『自共対決の始まり』が標題だった。今回は歴史的意義を持つ大会になった」
志位氏は、95年間の党史上初めて他党を迎えた意義を強調。これに応えて、安住氏は「違いをことさら強調するのでなく大局観に立って一致できる点を見いだす」とあいさつした。
自由党は森裕子参院会長の出席を予告していたが、急遽(きゅうきょ)、小沢一郎代表に変更、共産党重視の姿勢を示した。社民党の吉田忠智党首も交え壇上で4野党の幹部が手を携えてみせる一幕もあった。
共闘の流れを確実とするため、志位氏がこだわったのが「共産アレルギー」の払拭だ。
党綱領では日米安保条約の廃棄などをうたうが、志位氏は「党独自の立場を共闘に持ち込まない」と強調。「当面の国民の利益で力を合わせれば野党間の多様性は弱みでなく強みになる」とも訴えた。
しかし民進党は、共産党との共闘を否定する支持団体の連合も意識し、次期衆院選で候補の相互推薦は拒むというのが本音だ。民進党幹部は「候補者調整は接戦区だけ。共産が自主的に候補を取り下げる形式で頼む」と語る。
「政権構想の責任」の裏に…苦しい台所
共産党大会では党員数なども発表されたが、党員や党機関紙の購読者数は減少傾向が続いている。民進党は、共産党が共闘路線を打ち出す背景には党内の苦しい台所事情があると足元をみているのだ。
志位氏は党大会で「安倍晋三政権を打倒した後の政権構想を示す責任がある」と語ったが、民進党の蓮舫代表は、出張先の北九州市で記者団に「安倍政権を倒すことに一番力を注ぐ。そこから先の話は残念ながら共産党と考え方が違う」と否定的な考えを示した。
目先の選挙協力目当ての民進党に、共産党の訴えは響いてはいないようだ。(水内茂幸)
まさしく『野合』『選挙互助会』