例によってリーズナブルな本戦二日目に有明へ。時間的にはりんかい線の方が有利なのだが、最近は地下鉄に乗るのがかったるいので、有明に行くときは新橋からモノレールをもっぱら使っている。何しろドロー数が少ないので第1試合が正午開始、「のんびり出勤」でOKなのだ。
アンダーアーマーやプロレス団体の名前を横目に見ながら到着する。全日本の二日目とはもちろん比較にならない華やかさだが、敷地と予算的な制約もあってか、混雑が苦にならない程度の賑やかさは個人的には好きである。いきなりラオニッチ対トロイツキという好カードなので最上階まで階段を上る。「かぶりつき」で観るのはどっちにしろクラブハウス前の第1コートなので、今となってはコンパクトなスタジアムでは、僕は一番安い席で十分なのだ。設備もトイレはじめ古さが目立つが、僕はこの気軽さはやっぱり美点だと思う。問題はアクセスだけ…
さて、ラオニッチ、左手首の手術後初の公式戦だったか、バックハンドはほぼスライスのみ。それでも丁寧な配球でトロイツキに気持ちよく攻めさせない。トロイツキは「病み上がり」のトップテン相手にチャンスと気負い気味なのか、肝心なポイントを獲り切れず。ラオニッチはバックでいなすスタイルを丁寧に続けサービスゲームをキープ、重要なところでしっかりブレークしてストレート勝ち。以前のようにサービスとフォアの逆クロスでガンガン攻めるのではなく、ネットプレイも増やし、ますますサンプラスに似てきた。トロイツキもいいプレイヤーだが、少しのちぐはぐさやここ一番の踏ん張りという、どちらかというとメンタル寄りの方で現在トップクラスとの違いが表れた試合だった。それにしてもラオニッチのバックハンドスライスは悪くない。デル・ポトロもうまかったが、故障が無くともスライスを多用するプレイヤーが上位に増えており、それによる男子テニスの変化は、観ていても楽しい。
次のクエリー対ガスケは、入場時からガスケがやる気満々でちょっと吹いてしまった。今年の状況は対照的で、グランドスラム大会で好成績を挙げてきたクエリーに対し、ガスケは最近チャレンジャー大会で自信をつけ直すという、90年代のアガシのようなことまでやっている。そんな感じでただでさえリラックスしたキャラクターが、秋に入りやや疲れも出たか更にテンションが上がりにくい?クエリーを、チャンスとばかりガスケが攻める。それでもワンブレーク差でガスケが第1セットを獲ったところでスタジアムをいったん出る。
会場へ入る前に買ったサンドイッチを食べてしまったので、屋台には寄らず広場の出店へ。ヨネックスのストリンギングブースでは、試打動画で人気のラフィノのF氏が作業中。何だかファンらしき女性に窓越しに見つめられて照れているのか、顔を伏せ気味で張っていた。この日は広場にコロナのブースがなく、でかいスクリーンもなかったかな?ついでにショップの出店もなく、ブランド毎のブースばかりなので、ふーんという感じで第1コートへ。
丁度ヤング対シュワルツマンが始まるところであった。どちらもツアーの中では小柄なほうなのだが、体の厚みは生で観てもしっかりある(ラオニッチ等ノッポな連中が生だとやたら細長く見えるのとちょっと違う)。試合は、昨年後半から順調に成長しているシュワルツマンと、元天才児ヤングという現状がそのままうかがえてしまう内容だった。シュワルツマンは、根性と俊敏さが特徴だが、傍で観ると頭もいい。試合序盤は、サーフェースに合わせたのか、あえて比較的回転数の少ないストロークでテンポ速くヤングを攻めてゲームを稼ぎ、ヤングの目が慣れる前に回転数を上げ、「男子プロ標準の」ライン近くで急激に落ちるストロークに切り替えていた。対するヤングはもう序盤からメンタルが危なっかしい。大事なポイントを取り損なう度にグチり、同行したコーチ達がひっきりなしに「Here we go!」「Let's go!」「DY!(普段ヤングをこう呼んでいるらしい)」とあやしながらプレイしていた。6-2でシュワルツマンが第1セットを獲ったところでスタジアムに戻る。
スタジアム第3試合は杉田対ペールである。錦織の天敵である「天災」ペールの調子、というかご機嫌次第だな、と思っていたが、今日はノリが悪い。一方杉田は最近結果がでているせいか、落ち着いたプレイで試合を進める。ペールはどうやら風邪でもひいたようだが、サービスと腕の長さで?何とか持ちこたえる。ワンブレーク差で第1セットを杉田が獲った後、ペールが棄権を申し出て終了。
この日は陽もそれほど強烈ではなく快適だったが、日が暮れる前に引き上げたかったのでまたスタジアムから出る。練習コートを覗いてまわったが、めぼしい収穫はなく、帰りかけたところに、プリンスの無料試打会の看板を見つけた。
テニスシューズは履いていたので、コートでマシンによるトスを打つだけだが参加。まず最新型でハリアー(海外ではウォリアー?)の後継らしいBeast 100。衝撃吸収がよく、300gのこの手のフレームにしては振りやすかったが、普段使っているのが320gを超えるフレームであることと、あまりしならないせいか、ネットを連発。面のどこに当たったか感じるのが難しかったこともあり、コントロールできぬままフォアもバックの終了してしまった。こんなことはヘッドのプレステージS以来だ。まあ、最新の黄金スペックがどこも同じような技術と特性を報じられていることを考えると、僕にはやはり縁の薄い種類の製品かと。
次に試したのは、発売時から目をつけていた、テキストリーム第1世代のTour 95XR。トスの球を打つだけではよく言われる強烈なパンチ力は確認できなかったが、充分なスピードは出るしとてもコントロールしやすい。参加者が多くないのでショートアングルやスライス、逆クロスも試したが、スピンも楽にかかる。昨年試打ブースで見かけた人気投票ではPhantom 100 XR-Jの得票が目立っていたが、この試打会ではTour 95XRが特に男性の人気は明らかにトップだった。多分このモデルはプリンスの定番になるだろう(もうなってるか)。
次に試したのはPhantomの100 XR-JとPro 100 XR。極薄に加えO3のXR-Jは、パワー的にどうよ?と思っていたが、多分、少なくともストロークとサービスでは問題ないと思う。見た目も凄いが実際に振っても凄いのだ。通常ラケットの振り抜きの良さと言うのは、フレームの薄さは実はプラスになりにくい。まずラケットを「正面」から見た時の空気抵抗を減らすのが第一で、空気をよりスムーズに流すためにはある程度の厚さ(奥行き)があった方がいいのだ。で、正面面積よりまず薄さやO3が目立つXR-Jだが…どう振っても無茶苦茶振り抜きが良い。とても平均フレーム重量310gとは思えない(確かにバランスポイントは310mmのトップライトなのだが)。しなりもあるので、打った球はネットせずえらい勢いで飛ぶし、回転もすごくかかる。正直この試打では満足に制御できないまま終わってしまった。これは、(相手の打つ球がそれほど強くはない)市民大会やベテランの大会で使えばもう凶器になりそうだ。もちろんヘッドスピードの維持と(運動エネルギーが不可欠)、しっかり制御できる技術が必要だが。ジュニアでも、今年のインターハイで女子の優勝ペアの片方はこれを使っていたそうだ。シングルス向きと思っていたが、回転をかけて落とすのが楽でいいらしい。一方、より「実用的」と予想していたPro 100 XRは、この試打会では今一つ特徴が見えにくかった。いずれにせよ、どのモデルも実際ハードなラリーやゲームで使ってみないとどれが本当に自分向きかはわからない。それでもテキストリームという素材はプリンスを救ったと言えるだろう。僕も相変わらずフレームには悩んでいるが(ストリングはフレーム次第なのでその次)、次に選ぶのはかなりの確率で今日試したモデルのうちのどれかになりそうだ。
アンダーアーマーやプロレス団体の名前を横目に見ながら到着する。全日本の二日目とはもちろん比較にならない華やかさだが、敷地と予算的な制約もあってか、混雑が苦にならない程度の賑やかさは個人的には好きである。いきなりラオニッチ対トロイツキという好カードなので最上階まで階段を上る。「かぶりつき」で観るのはどっちにしろクラブハウス前の第1コートなので、今となってはコンパクトなスタジアムでは、僕は一番安い席で十分なのだ。設備もトイレはじめ古さが目立つが、僕はこの気軽さはやっぱり美点だと思う。問題はアクセスだけ…
さて、ラオニッチ、左手首の手術後初の公式戦だったか、バックハンドはほぼスライスのみ。それでも丁寧な配球でトロイツキに気持ちよく攻めさせない。トロイツキは「病み上がり」のトップテン相手にチャンスと気負い気味なのか、肝心なポイントを獲り切れず。ラオニッチはバックでいなすスタイルを丁寧に続けサービスゲームをキープ、重要なところでしっかりブレークしてストレート勝ち。以前のようにサービスとフォアの逆クロスでガンガン攻めるのではなく、ネットプレイも増やし、ますますサンプラスに似てきた。トロイツキもいいプレイヤーだが、少しのちぐはぐさやここ一番の踏ん張りという、どちらかというとメンタル寄りの方で現在トップクラスとの違いが表れた試合だった。それにしてもラオニッチのバックハンドスライスは悪くない。デル・ポトロもうまかったが、故障が無くともスライスを多用するプレイヤーが上位に増えており、それによる男子テニスの変化は、観ていても楽しい。
次のクエリー対ガスケは、入場時からガスケがやる気満々でちょっと吹いてしまった。今年の状況は対照的で、グランドスラム大会で好成績を挙げてきたクエリーに対し、ガスケは最近チャレンジャー大会で自信をつけ直すという、90年代のアガシのようなことまでやっている。そんな感じでただでさえリラックスしたキャラクターが、秋に入りやや疲れも出たか更にテンションが上がりにくい?クエリーを、チャンスとばかりガスケが攻める。それでもワンブレーク差でガスケが第1セットを獲ったところでスタジアムをいったん出る。
会場へ入る前に買ったサンドイッチを食べてしまったので、屋台には寄らず広場の出店へ。ヨネックスのストリンギングブースでは、試打動画で人気のラフィノのF氏が作業中。何だかファンらしき女性に窓越しに見つめられて照れているのか、顔を伏せ気味で張っていた。この日は広場にコロナのブースがなく、でかいスクリーンもなかったかな?ついでにショップの出店もなく、ブランド毎のブースばかりなので、ふーんという感じで第1コートへ。
丁度ヤング対シュワルツマンが始まるところであった。どちらもツアーの中では小柄なほうなのだが、体の厚みは生で観てもしっかりある(ラオニッチ等ノッポな連中が生だとやたら細長く見えるのとちょっと違う)。試合は、昨年後半から順調に成長しているシュワルツマンと、元天才児ヤングという現状がそのままうかがえてしまう内容だった。シュワルツマンは、根性と俊敏さが特徴だが、傍で観ると頭もいい。試合序盤は、サーフェースに合わせたのか、あえて比較的回転数の少ないストロークでテンポ速くヤングを攻めてゲームを稼ぎ、ヤングの目が慣れる前に回転数を上げ、「男子プロ標準の」ライン近くで急激に落ちるストロークに切り替えていた。対するヤングはもう序盤からメンタルが危なっかしい。大事なポイントを取り損なう度にグチり、同行したコーチ達がひっきりなしに「Here we go!」「Let's go!」「DY!(普段ヤングをこう呼んでいるらしい)」とあやしながらプレイしていた。6-2でシュワルツマンが第1セットを獲ったところでスタジアムに戻る。
スタジアム第3試合は杉田対ペールである。錦織の天敵である「天災」ペールの調子、というかご機嫌次第だな、と思っていたが、今日はノリが悪い。一方杉田は最近結果がでているせいか、落ち着いたプレイで試合を進める。ペールはどうやら風邪でもひいたようだが、サービスと腕の長さで?何とか持ちこたえる。ワンブレーク差で第1セットを杉田が獲った後、ペールが棄権を申し出て終了。
この日は陽もそれほど強烈ではなく快適だったが、日が暮れる前に引き上げたかったのでまたスタジアムから出る。練習コートを覗いてまわったが、めぼしい収穫はなく、帰りかけたところに、プリンスの無料試打会の看板を見つけた。
テニスシューズは履いていたので、コートでマシンによるトスを打つだけだが参加。まず最新型でハリアー(海外ではウォリアー?)の後継らしいBeast 100。衝撃吸収がよく、300gのこの手のフレームにしては振りやすかったが、普段使っているのが320gを超えるフレームであることと、あまりしならないせいか、ネットを連発。面のどこに当たったか感じるのが難しかったこともあり、コントロールできぬままフォアもバックの終了してしまった。こんなことはヘッドのプレステージS以来だ。まあ、最新の黄金スペックがどこも同じような技術と特性を報じられていることを考えると、僕にはやはり縁の薄い種類の製品かと。
次に試したのは、発売時から目をつけていた、テキストリーム第1世代のTour 95XR。トスの球を打つだけではよく言われる強烈なパンチ力は確認できなかったが、充分なスピードは出るしとてもコントロールしやすい。参加者が多くないのでショートアングルやスライス、逆クロスも試したが、スピンも楽にかかる。昨年試打ブースで見かけた人気投票ではPhantom 100 XR-Jの得票が目立っていたが、この試打会ではTour 95XRが特に男性の人気は明らかにトップだった。多分このモデルはプリンスの定番になるだろう(もうなってるか)。
次に試したのはPhantomの100 XR-JとPro 100 XR。極薄に加えO3のXR-Jは、パワー的にどうよ?と思っていたが、多分、少なくともストロークとサービスでは問題ないと思う。見た目も凄いが実際に振っても凄いのだ。通常ラケットの振り抜きの良さと言うのは、フレームの薄さは実はプラスになりにくい。まずラケットを「正面」から見た時の空気抵抗を減らすのが第一で、空気をよりスムーズに流すためにはある程度の厚さ(奥行き)があった方がいいのだ。で、正面面積よりまず薄さやO3が目立つXR-Jだが…どう振っても無茶苦茶振り抜きが良い。とても平均フレーム重量310gとは思えない(確かにバランスポイントは310mmのトップライトなのだが)。しなりもあるので、打った球はネットせずえらい勢いで飛ぶし、回転もすごくかかる。正直この試打では満足に制御できないまま終わってしまった。これは、(相手の打つ球がそれほど強くはない)市民大会やベテランの大会で使えばもう凶器になりそうだ。もちろんヘッドスピードの維持と(運動エネルギーが不可欠)、しっかり制御できる技術が必要だが。ジュニアでも、今年のインターハイで女子の優勝ペアの片方はこれを使っていたそうだ。シングルス向きと思っていたが、回転をかけて落とすのが楽でいいらしい。一方、より「実用的」と予想していたPro 100 XRは、この試打会では今一つ特徴が見えにくかった。いずれにせよ、どのモデルも実際ハードなラリーやゲームで使ってみないとどれが本当に自分向きかはわからない。それでもテキストリームという素材はプリンスを救ったと言えるだろう。僕も相変わらずフレームには悩んでいるが(ストリングはフレーム次第なのでその次)、次に選ぶのはかなりの確率で今日試したモデルのうちのどれかになりそうだ。
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