リチャード・クレイダーマン - 母への手紙 Richard Clayderman - LETTER A MA MERE
母への手紙と言っても自分の母でもあり、亡妻のことでもある。今日はうれしい手紙を書こう。
孫3人の女の子のうち、長女が昨日3月1日、就職の配属先地域が決まったと報告した。
孫は父の後を追い教員への道を選び、ありがたいことに既に昨年10月、県教員採用試験に合格していた。
どこの小学校に勤めるかまでは、3月末の教員人事異動発表まで分からないが、県下4つに区割りされる地区の一つを通知されたという報告だった。通知された地域は住まいの隣の地区ながら、「多分はじめから通勤できる学校ではないだろう」と言っておいた。家を出て未知の世界へ旅立つ。昨日は大学生の就活開始の日でもあった。
採用試験はもちろん、まして勤め先まで、父と同職であっても、私等の時代と違ってコネは全く通じないようだ。県庁職員など公務員でも同じで万事公平に扱われると孫自らが言っていた。
とにかく一安心!よかった。
母達も喜んでくれるだろう。作家城山三郎さんの日記「どうせ、あちらへは手ぶらで行く」を読んでいるが、城山さんも娘さんの子、お孫さんが高校生の頃不登校になって気をもむ記述が出てくる。老人は誰でも子より孫のほうを心配したり、幸せを願うものなのでしょう。
何度も何度も引用するが読売「編集手帳」で初見したお気に入りの一首を贈ろう。
旅人の宿りせむ野に 霜降らば、わが子羽ぐくめ、天(あめ)の鶴群(たづむら)
遣唐使の母 (万葉集巻9-1791)
天平5年(733)遣唐使の船が難波を出発しようとする時、独り子を遠く大陸への旅に発たせる母親が、子に贈った長歌の方の返歌とある。