前に読売新聞「編集手帳」」傑作選Nol.7(2014.1~12)著者・竹内正明の目 を新聞社から送って貰った。はじめに、を小西美穂さん(フリーアナウンサー)が書いておられる。
”大津市で起きた中学2年男子生徒のいじめ自殺でのサゲは、とりわけ心に残っている。
「やがて上の学校に進み、恋をし、仕事に夢を追い、結婚して父親にもなったであろう人生である。人生だ」。最後のわずか3文字のサゲに、誰よりも少年の死を悼み、悲しみ、憤る、竹内さんの気持ちが伝わってくる。端麗辛口竹内さんは語り過ぎず、抑制された文章をこころがけ・・” と、核心を突いた「まえがき」だった。
9日、福岡・予備校生刺殺事件の犠牲者、北川ひかるさん(19)の父洋二さんが、県警を通じコメントを出し、「ひかるは見事に大阪大学法学部に合格しました。他にも明治大法学部、同志社大法学部、立命館大法学部にも合格することができました。ひかるもきっと喜んでくれていると思います」。犯行について千万語を言いたかったであろうが、それには触れず、学校関係者や友人、地域の人々に感謝の意を表し、娘によくやったと努力を称えた。何と立派な父親だろう。
この事件は" 同じ予備校に通う男子生徒(19)が出頭時、「北川さんに告白したがあいまいにされた」などと説明したことが捜査関係者への取材で分かった。福岡県警は、事件の背景に少年の一方的な恋愛感情があったとみて、少年から任意で事情聴取している。” (3/6朝日)
なんと身勝手な犯行であろうか。ひかるさんは東大を目指していたとネットにもある。将来は司法関係へ進みたいとの夢があったのであろう。その実力も相応だったと証明された。それが・・さかりのついた獣以下の性衝動によって命が断たれたのだ。
これが許されるか。
「やがて上の学校に進み、恋をし、仕事に夢を追い、結婚して母親にもなったであろう人生である。人生だ」。
2014年我が近くの団地でも20歳の男性が性衝動でレイプしようと民家へ押し入り、鉢合わせした老夫婦を刺し殺す事件があった。その犯罪者の家の前をよく通るが、いつもと同じ無表情な家構えのまま、たまに父親の車と思しき1台が停めてある。下は事件当時の写真。
今年1月に県内・岐阜県下呂市の県立女子高校生(16)が、覚せい剤で逮捕された事件、岐阜家裁が3月4日、一定の矯正教育が必要と少女を第1少年院へ送致する保護処分が決定した。(3/5朝日)
この事件は、小遣いの目減りがひどいと感じた母親が娘を問いただし、覚せい剤3グラム(末端価格21万円)と、注射器13本を持って下呂署へ本人と届け出て判明した。なんと立派な母親の判断と行動であろうか。わが身に置き換えて考えてみる、なかなかこの母のような行動をとれる人は少ないであろう。
福岡の少年の保護者に問いたい、あなた方は息子をどんな育て方をしたのか。命についてだ。