さあ、緑多き池を1周して癒され、給水も済ませた所で、再出発!
再び県道に戻り、南下を始める。
次の信号が「中野町3丁目」で、変則の5叉路になっている。
左斜め前方の細い道、もう慣れてるからね、はい、これが旧街道。
通学路になってるのかな?
道の左側には狭いながらもグリーンの歩道帯が設けられていることが、わずかに旧街道らしさを感じさせる。
ただし、足を止めるほどの見所は、残念ながらしばらくはない。
とはいえ、この先当分道なりだから、走る方に集中!
1km少々走っただろうか、左手前方にいかにも町のタバコ屋さんがあって、そこは変則の5差路になっている。
ここはYの字でいうなら左の道が正解らしい。(冒頭写真)
くねくねと裏道のようなところを走れば、家族経営の小さな弁当屋さんが幟を出して頑張っている。
もう13時過ぎてるけどさ、我慢我慢。
すぐに府道705にぶつかった。
楠公道路の愛称がついているようだ。
右手の交差点で信号を渡り、そのまま南西へ。
緩やかに左へカーブし、南に向きを変えると、いよいよ!
いよいよ始まった!
富田林市寺内(じない)町である。
旧街道はそのうちの1つ、「亀ヶ坂筋」を行く。
一気に空気が変わった。
町内にある興正寺別院の、文字通り寺内町として戦国時代に誕生・発展した町並みで、大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
ここだけで一日終わってしまいそうなぐらいの見所たっぷりの場所だけに、とにかく旧街道からそんなに外れない程度に、駆け足で見るしかない。
いきなり現れたのが「佐藤家住宅」
江戸時代から続く紅梅梅味醂醸造の家で、現在も敷地内に多くの蔵が残っている。
続いて約100m。
中内眼科医院。
看板通り、もちろん今も診療している眼科であるが、建物は大正時代の銀行を再利用したもので、登録有形文化財となっている。
亀ヶ坂筋はそのまま真っ直ぐだが、東高野街道はここで右折するんだね。
1本西側が「城之門筋」で、まさに寺内町の中心と言っても良い道筋で、両側には立派な寺社が並び、圧巻の光景ではある。
右側角にあるのが「田守家住宅」で、こちらは「綿」を生業としてきたらしい。
道を隔てて反対側が「杉田家住宅」で、その間を城之門筋が通る風景は素晴らしいの一言だ。
城之門筋を南下するとすぐに妙慶寺で、江戸初期の1603年建立の歴史を持つ。
コスモタイガーはいったんここ妙慶寺の角を右折し、休憩を兼ねて寄り道。
突き当たったところにあるのが「じないまち展望広場」。
名前の通り、高台からの絶景を拝みつつ、給水タイムとする。
さぁ、5分ほどリラックスして、再スタート。
先程の妙慶寺を通り過ぎてすぐ、右手にあるのが、寺内町の発祥となった興正寺別院である。
どうやら京都にある興正寺の別院、ということになるらしいが、本堂や鐘楼など多数の重要文化財を有している。
田守家住宅まで戻る。
西へそのまま向かうのが旧街道で、すぐの十字路を左折。
ここは富筋だ。
関西に住んでみて気付いたことは、どうやら南北の道を今も昔も「筋」というんだな、と。
大阪市内の御堂筋、松屋筋、堺筋、も皆、南北の道だからさ。
名古屋は逆に東西の動きがメインになっていて、「通り」と称している。
広小路通、錦通、桜通、とあり、地下鉄もそれを中心に発展してきた。
だから関西で生活すると、頭の中を90度反転させるような感覚になるところが、若干わかりにくい気がする一因なんだろう。
富筋を南下してしばらく。
ここも圧巻の家並みで、両側とも風情いっぱい。
左側が「仲村家住宅」。
右側が「上野家住宅」。
説明するまでもなく、どちらも寺内町を代表する名家である。
さて、寺内町の素晴らしさに心を打たれ、名残惜しいところではあるが、本題に戻らんと…。
そのまま南下したT字路で時代劇のセットのような寺内町は終了。
右折するのが旧街道だ。
しばらくは道なりに、南西に向かう。
富田林高校を過ぎたところで、右斜めに入る狭路があって、それが旧街道だな。
もっとも500mほどで再び合流するんだけどね。
さらに道なりに進めば、何だか久しぶりの旧国道170(府道20)に再会だ。
そのまま横断したところが近鉄長野線の「川西」駅の真ん前となる。
ここでゴールしたい心境にもなるけれど、先々のバランス、また鉄ちゃんとしてのこだわりなどを思うと、ここはちょっと中途半端なんだよね。
もう少し頑張るぞ!
少しだけ給水タイムを取り、ラストスパートに入るコスモタイガーなのだ。
(後編へ続く)
それにしても、旧東高野街道は見所満載で、タイムスリップした様な素敵な雰囲気です!
まるまる一日中見物しても飽きない素晴らしい地区です。
きっとわざわざ訪問する価値はあると思います。
大阪府にこんな場所があるというのも意外ですけどね。
東高野街道はガイド本もそんなに多くないと思いますが、道としても結構残ってますし、何気にお勧めです。