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10km33:04、フルマラソン2:46:31

コスモタイガー漂走記~旧中山道編(5)

2013-08-23 | 旧中山道run!!


2009年、あけましておめでとうございます!!
まだ正月気分まっただ中、温暖な気候を狙って、中山道を走りに行こう。

だんだん家から近くなり、時間的にも金額的にも楽になってきた。
いつもの通り、大高駅に車を置き、「青空フリー」を購入し、東海道本線を乗継ぐ。
すっかり慣れっこ?になった米原駅での近江鉄道への乗換。

前回のゴールは、高宮駅だったんだけど、かねてよりの腹案どおり、ここで支線である、「多賀線」に乗り継ぐ。
電車の中は、かなりの利用者だ。

わずか5分ほどで、終点「多賀大社前」に降り立った。

読んで字の如く、ここは多賀大社参拝の最寄り駅だ。
年始早々、混んでるのは当然なわけだ。

これで旧東海道編と合わせて、近江鉄道全線完乗!!
いや~、鉄チャンとしての本来業務?を果たして、実に気分が良い。

名古屋は穏やかな日差しだったのに、ここまで来ると寒い。
しかも空はどんより曇り、道路の両側にはわずかながら雪が残っている。

とはいえ、当然のことながら、露店が立ち並び、初詣客でごった返していて、熱気は満ち溢れている。
何といっても、古くは「古事記」にすでに記述があるとされるほどの歴史を持つ、滋賀県では超有名なお参りスポットだ。

まぁ、直接中山道には関係ないんだけどね。
それでもせっかく来たんだから、お参りだけは普通に済ませておく。
もっとも、初詣は元旦に近所の神社で済ませてあるんだけどさ。

露店で軽く腹ごしらえを済ませ、ここをスタートに走り出し…といいたいところだけど、凄い人混みで、ここを走るのはちょっと顰蹙(ひんしゅく)かな。

仕方なく、多賀大社駅までのんびり露店を冷やかしながら戻る。
大半はそのまま電車に乗るため、途中で右折して駅へと流れていく。

コスモタイガーは、この駅手前のT字路をスタート地点にして、そのまままっすぐ進むことにした。
たぶんこれがかつての参詣道だ。

名神高速の下をくぐって、しばらくすると分岐点があり、そこを右。
そうすると「多賀西」の交差点に出る。

直進すると左手にキリンビールの大きな工場があるけれど、残念ながらこの辺りには旧道らしい雰囲気は全くない。
ひたすら直線化した道を走る。

見通しが良いのはありがたいけど、その分北風をまともに受け、なかなか体が温まらないけど。

やがて東海道新幹線の高架をくぐり、近江鉄道本線を渡ると、あっけなく前回の終了地点「一の鳥居」が見えてきた。
こうして中山道に首尾よく合流し、オプションは終了。

何やら完全乗車も果たし、オプションだけで充実感に浸り、ここからが本番だってこと、忘れてしまいそうだ。

鳥居前の道をそのまま北東に進む。
近江鉄道本線を再び渡ると、常夜燈が残っている。
ここが高宮宿の東側出入口ということらしい。

交通量も減り、周囲に緑が増えてきた頃、左手階段を登ったところに、「石清水神社」がある。
階段の途中に「扇塚」なる史跡があった。
能楽にまつわるものらしいけど、残念ながらそっち系には全く興味なく、素通り。
お参りだけして先を急ぐ。

「大堀橋」を渡り、さらに中山道を走る。
この辺り、ちょっと単調ながら、左に「春日神社」が見えてくるのが目印だ。

「正法寺町」の交差点で、国道306号を渡る。
目の前には名神高速のインターチェンジが見える。
「彦根IC」なんだけど。

この彦根ICの脇をすり抜けていくのが中山道。
でも道そのものは1本道だから、迷うことはないけどさ。
何やら旧東海道の岡崎IC辺りを彷彿とさせる。(旧東海道編3参照)

途中で古い道標も残っている。
「すぐひこ弥」
彦根のことかな?
「弥」は「ね」と読めるのか?
ちょっと疑問を感じたりもするけどね。

家並みがバッタリ途絶え、そのまま右に名神高速と新幹線を従えながら、中山道は山中に入っていく。
途中で新幹線は右から左に移るけど。
この辺り、「彦根市小野町」というらしく、すぐに右手に「小野小町塚」が現われる。


小野小町といえば、秋田美人の祖としても名が知れているけれど…。
実はこの辺りが発祥の地とする説もあるらしい。

コスモタイガーのもっとも好きなお米の銘柄も「あきたこまち」だし、秋田新幹線を走るのも「こまち」号だし。
完全に出羽国(秋田県)の人物と思われている小野小町だけど、謎が多く、出生地に関しても、通説である雄勝町(秋田)をはじめとして、今立っている彦根市の他、京都説・厚木(神奈川)説、さらには九州の熊本まで飛び出したり、その他にも異説があったりして、まさに諸説乱立状態ということらしい。

名神高速が徐々に遠ざかり、人家がチラホラしてくると、右手に郵便局が現われる。
明らかにこの辺り、古い民家が多く、旧街道のオーラを感じる風景だ。

鳥居本(とりいもと)宿に入ったらしい。
静かな風情ある町の中を走るのは心地よい。

左奥に近江鉄道「鳥居本」駅が見えると、その角に「脇本陣」「本陣」の跡がある。
といっても簡単な木札がかかっているだけなんだけど。

300mほど進むと、道は90度右にカーブ。
「枡型」やね。

正面には「有川薬局」。

江戸より続く超老舗の薬局だ。
「赤玉神教丸」というのが、その伝統の万病薬らしい。

そういえば、旧東海道にも似たのがあった。
あれは「和中散」、石部宿やね。(旧東海道編26参照)

この辺りで鳥居本宿は終了らしい。
反時計廻りにカーブしつつ、さらに北上する中山道。
やがて国8に合流。

200mほど直進すると、正面に大きな道標がある。
「磨針峠望湖堂」と大書されている。

ここを指示通り、右折。
名前の通り、「摺針峠」への登りとなる。
中山道2つ目、草津からだと最初の峠ということやね。
といっても、ここから先、まだまだ遥かに続く中山道の道のりを思えば、この程度の峠、可愛いもんなんだけどさ。

ここで2つの道がある。
リサーチの資料により異なっていて、ここから直進し、アスファルトの道を登っていく方法と、もう1つは、すぐに左の道(ポンプ場の脇)に入って、ほとんど獣道と化した、林の中を行く道を行く方法。

こういう時はね、両方走ればいいのさ♪
ということで、まずはアスファルトの道を登ってみる。

しんどいけど、足元は安定してるからね、景色も良いし、交通量も少ないけど、あまり旧街道らしさはない。

また元に戻るため、一気に下る。
今度はポンプ場の脇から、鬱蒼とした林の中に入る。

かなりの悪路だけど…。
雪解け水なのか、足元も湿っぽく、安定しない。

でも確かに道は続いており、雑草を掻き分けながら進むこと、約400m。
さっきのアスファルト道にぶつかる。

アスファルト道はそのまま左の方に進み、明らかに「車を意識した」作りで、ヘアピンカーブになっている。
逆に獣道は、このアスファルト道を横切るように直進し、そのままヘアピンカーブをショートカットする形で登っていく。

こりゃ、多くのランナーやハイカーには申し訳ない?けど、間違いなく、この獣道の方が、正当な中山道だと思うけどね~。

ヘアピンをショートカットし、登りきったところが摺針峠の頂上で、「望湖堂」の跡らしい。
簡素な神社(神明社)が残っているから、そこから振り返ると、名前の通り、遠くに琵琶湖を望むことができた。(冒頭写真)

さぁ、今度は一気に下る。
下りが得意なコスモタイガー、快調に走る。

やがて2手に分岐するけれど、ご丁寧にここにも道標が立っている。
左に行けば「番場・醒ヶ井」らしいから、それに従う。

すぐに名神高速が近づき、中山道に寄り添う。
標高は若干下がったはずだけど、日陰になるせいか、道の両側には雪が残っている。
走ってるし、ましてや峠越えの跡だから、寒くはないけどね。

再び緩やかな上り坂になり、名神高速がトンネルに入ったところで、彦根市と米原市の市境になり、「小摺針峠」。
まぁ、事実上、さっきの摺針峠とセットのようなものだ。

これまたしばらくの間、名神高速と並走し、緩やかに下っていく。
左手に小さな鉄工所があり、道が左にカーブし、名神高速とはここで離れていく。
チラホラと人家も見えてきた。

公民館の前に、「中山道西番場」の碑を発見。
さぁ、「番場宿」に入った。

番場の忠太郎なる人物で有名らしいけど、ごめん、あまり興味ない。
本陣・脇本陣1軒づつ、旅籠10件、の小振りな宿場町ながら、歴史は古く、東山道の宿場町でもあったらしい。

残念ながら旧宿場町としての雰囲気はないけれど、米原市のはずれで、観光客はおろか、すれ違う人すらなく、ひっそりとした集落で、素敵な空間を保っている。

案内板に従い、右折して「蓮華寺」を訪問してみる。
名神高速をくぐった先に、そのお寺はあった。

ここもかなりの古刹で、本堂が静かに横たわっている。

梵鐘は重要文化財に指定されているらしい。

再び中山道に戻り、先へと走る。
本陣跡、さらに県道240と交わる交差点を渡ったところに脇本陣跡。
ともに案内板のみが掲げてあるのみ。

ここからは山あいの一本道の風情で、心地よい。
右に左にと、道は緩やかな弧を描きながら、やがて名神高速米原ICの下に出て、そこで県道と合流する。

合流地点にあるのが「久禮(くれ)一里塚」。

ちょっとした休憩スポットのように、整備されている。

そのまま県道で米原ICをくぐり、2本目を右折するのが中山道。
すぐに、左に簡易郵便局が出てきたら正解だ。

再び人家が増え、ちょっとした集落の中をのどかに走る。
「樋口」の交差点に出た。
目の前には、久しぶりに再会した国道21号。
やっぱりこの道だけは、交通量がそれなりにあり、しかもかなり飛ばしている。

ありがたいことに、ここは国21、信号で渡るだけ。
そのまま斜め右の小道に入る中山道。

この辺り、静かな集落で走ってて快適なんだけど、見るべきものは特になく、1kmほどで再び国21にめぐり合い、吸収される。

しばらくは国21を走るしかないね。
まぁ、狭いながらも歩道があるからさ、困ることはないけれど。
左手にはJR東海道本線の線路が見え隠れする。

500mほどで、右に分岐する道があって、当然コスモタイガー、その道を選択。
すぐに左手に現われるのが「六軒茶屋跡」。

名前の通り、6軒の茶屋がここに置かれたらしい。
そしてここが醒ヶ井(さめがい)宿の入り口ということになるらしい。

醒ヶ井宿は、事前リサーチによれば、小さいながらも案内板も整備され、とても素敵な癒しの場になっているらしいけれど、それは次回にまわすとして、今日は駅近くのこの辺りで終了としよう。
すでに実走距離も、20~21kmぐらいになっている感じだし。

50mほど先に十字路があり、ここをゴールにする。
右には名神高速が走り、案内板の通り、左折すると醒ヶ井駅に出る。

この先も、いかにも中山道オーラ出しまくりのうねった道が続いている。
ちょっと後ろ髪ひかれる思いながら、左折し、駅を目指す。

200mちょっと、徒歩5分ぐらいで、東海道本線「醒ヶ井」駅に到着。

まだ滋賀県ではあるけれど、ここまで来ると「東海」の匂いを感じられる。
理由は簡単、醒ヶ井駅は「JR東海}の管轄なのだ。
つまり、ここはすでにJR東海営業エリア内ってこと。

今日も交通費としては、青空フリー(2,500円)と、近江鉄道の片道分(米原→多賀大社間460円)のみの出費。
中山道近江路は、財布には優しいのだ。

時計はすでに16時を過ぎている。
さぁ、帰るとしますか!
ここからは、いつもの東海道本線乗継だ。

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2 コメント

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(コスモタイガー) さん へ (iina)
2014-07-29 10:18:56
真夏に、正月のあいさつをされ、雪景色とともに涼しさをもようしながら不思議な面持ちになりました。 (^^ゞ

中山道を列車に揺られて巡回するとは、いいですね。
よくみやると「小野小町塚」を見つけました。
iinaも小野小町が開湯と伝わる小野川温泉の湯につかったのでアドレスを置いて参ります。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/aa361882212d363a7d4998feee09778b

iinaも、いま古い記事を掘り起こしていますが、カテゴリー別にリンクする作業中です。
その一例が、「京都観光一覧」のような記事です。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/c23546173817f09ac55eda7649b92c8d

「古池や 蛙飛び込む 水の音」をもじって、
ふるいけや 書かずにおかず ものならば / iina

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iina様 (コスモタイガー)
2014-07-30 13:07:43
ご訪問ありがとうございます。
記憶をたどってマイペースで書いてるものですから、季節感0ですみません。
逆にそんなとぼけたところを楽しんでくだされば幸いです。

小野川温泉を含め、福島県もぜひ訪問してみたいです!
鉄道で通ったことは何度かあるものの、降りたことがないので。
昨年の大河ドラマの舞台の会津でしたし、「成せばなる」の上杉鷹山にも興味あります。

その上杉鷹山の師、細井平洲は、名古屋市の南隣、愛知県東海市の出身です。
東海市には細井平洲がらみの史跡がいくつかあり、ここも好きなランニグコースの1つです。
「気になる古道」シリーズでそのうち書こう書こうと思いつつ、旧街道編を優先しているため、なかなか書く時間がありません。

京都も旧街道runの三条大橋は別にして、のんびり観光は、もう何年もしてません。
鞍馬とか美山地区、行ってみたいなぁ。
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