~~~ 理解不十分で根本的に間違えているかもしれない、定気・平気(恒気)の話の続き ~~~
昨日の定気および平気(恒気)の概念は、実は占術における時刻の採用法にも関係しています。
現在、一般的に用いられている刻の採り方は、狭義的には平均太陽日に基づく一日=24時間を12等分するものなので「時間分割」、つまり平気(恒気)法的な考え方ということだなーと思ったのですが、「暦と占いの部屋 恒気法二十四節気考」の内容では、どうもそうではないみたい。
地方標準時に加えて経度における時差と均時差が考慮されることで視太陽時(真太陽時)が求まるのですが、この均時差というものがなかなかの曲者。均時差補正するということは季節による時間の変動を考慮に入れるという意味なので、実際には定気法(空間分割)としての考え方になる…という解釈でいいのかな。
ちなみに、これをすると視太陽時における0時および12時ジャストは常に観測場所でのIC(北中)およびMC(南中)に一致します。これは年が違っても日付が一緒ならば、ほぼ同一です。いわゆる日時計の原理なので。(参照:「Wikipedia 太陽時」および「時刻系」)
でも、「暦と占いの部屋 恒気法二十四節気考」の話では、もし年月を平気法(季節変化における見かけの太陽運行の遅速を計算に入れず、単純に1太陽年での平均時間を累積して考える方法)で作成する場合、そもそも日時における視太陽時を求める必要もなくなり、均時差補正自体が不要になるそうです。
それはそうと、やっぱり時刻は正中(定朔ならぬ定中?)平気法に基づいて算出しているということではないのかなぁ。視太陽時を求めているとは言っても、時間枠は2時間と常に一定なわけだし。いえ、たぶん、こんな内容を書いていながら、そもそも均時差補正を入れて占時を出す理由というのがイマイチ理解できてないんだろうと思います。(参照:均時差についての一般的な疑問について考察された方の手記→「【天文】太陽は時間にルーズ - OhmyNews:オーマイニュース」(※追記:リンク切れのようです・・・)
実際のところ、均時差補正を入れるとする二十四節気に基づく四柱推命(流派によっては、均時差どころか経度による時差すら補正しないのもあるけど)と、理論的に入れないとする太陰太陽暦に基づく紫微斗数とでは用いる占時が異なってしまうケースも出てくるわけで、そうなると占術全体としての整合性が崩れるのではないかと思うのですが…。まあ、それぞれの占術のシステムが違うと言われればそうなのかも知れませんが、あまり釈然としません。
それと一つ不思議なのは、定気法では年を二十四節気に空間分割するのに、なぜ日では十二刻や24時間をそうしないのだろう? つまり、なぜ十二刻の枠がキッカリ2時間単位の時間分割なのかってことです。
もっとも、空間分割にすると江戸時代の不定時法のように時間に長短が生じるので生活に不便だというのはわかります。(不定時法自体は基本的に「時間分割」です。各地点における南中と日の出&日の入時刻を基準に時間分割されます。ただ、始点分割するタイプと中点分割するタイプがある。)
もし定気法に徹して刻(占いなら占時)を求めようとするならば、その時々の観測地点における子午線=天の最も高いポイントと地の最も低いポイント=占星術でのMC-ICラインを軸にした15度ごと(天球360度/24)の角度配分をすればよいのではないかと思います。理論的には冬至や朔に対応する位置概念は北中なので。一応、不定時法の中にも同様の方法?で十二刻を空間分割するものがあったようですし。ただ、その方法で実効性があるかどうかは、また別の問題ですけれども。
で、その中点分割方式で考えると、例えば午刻は南中を真ん中として左右に15度の範囲、同様に子刻は北中を中点とした東西に15度ずつの範囲になります。他の刻も太陽の移動(実際には地球の自転)によって各中点に来る時に刻が変わると見なせます。この場合、平気法のように単純に1時間を足しても、それぞれの時刻における度数は同じになりません。
ところで、旧暦月を求める際、地球の公転速度が季節によって異なるために定気法では角度は固定でも各々の所要時間には長短があります。特に近日点となる1月上旬(小寒の頃)と、遠日点となる7月上旬(小暑の頃)では顕著です。(「Wikipedia 近点・遠点」、「近日点と遠日点 - MSN エンカルタ 百科事典 ダイジェスト」) そういえば、流派によっては年の起点を小寒とするところがありますが、もしかしたら近日点=太陽と地球の地心距離が最も近くなる日が関係しているのかな?
これと似たような感じで、地球が僅かな楕円体であるためか地軸が傾いているためか正確な理由はよく理解できてませんが、自転での見かけ上の太陽の運動(視黄経)に遅速が出てきます。例えば、太陽が天頂と天底を結ぶライン付近にある時(北中や南中の前後の刻)は真太陽時に近いためにそれほどの差は出ませんが、そこから遠ざかった朝方や夕方の頃では違いが大きくなって15分前後の差になることがあります。
多くは通常の定時法で求まる時刻と合致しますが、刻の変わり目辺りの生時の人や出来事を占う時には両手法で刻が異なってきます。例えば先日大統領になったばかりのオバマさんもこれに該当し、通常の定時法では酉刻(均時差補正を除いてもギリギリ酉刻)ですが空間分割方式で算出すると戌刻になります。
まあ、これまで得てきたデータの全てを定時法のそれと比較してきたわけではないので、まだハッキリとはいえませんが、ミッドMC方式が確実に正しいとは考えていません。自分の読解の仕方が悪い(単に力量不足な)だけなのかもしれませんし。なんにしても、これも平気法の検証と同様に、今後の研究課題として詰めていこうと思っています。
――以上、オマケ的な追記でした。
最初に書いたように、ここでの話は僕の理解不足&検証不足が大の混乱気味の内容なので、読者が気にして深入りするほどのものではありません^^;
個人的に、何につまずいているのかとか理解できていないのかを書き出しておきたかったのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます