約2週間前の「魚座の新月」は2月26日23時58分23秒で起こりました。もうほとんど27日といってもいいくらいです。そして、今日の「乙女座の満月」も23時54分47秒と、やっぱり翌日に近い。
暦にはさまざまなものがありますが、新月(朔)の日時を基準にした暦には、例えば今私たちが旧暦と呼んでいる「太陰太陽暦」があります。身近なところでは、大安とか仏滅、友引といった「六曜」も、この旧暦から出てきています。
これは個人的な感覚なんですが、今月は旧暦の日付が日本の東西で違っているもしれない、という気がしています。単に計算精度によって一日ずれるというのもありますが、そういうことではなく、経度差によって日本の東西で旧暦の日付が変わってくる可能性がある、という意味です。
初っ端から一体何を言ってるんだ、と思われるかもしれませんが、これは旧暦を作るシステムに関する話です。
旧暦における第一日目は必ず朔を含む瞬間です。なので、それが「とある一日」の初めのほうであれ終わりのほうであれ、その日の枠内にあれば、そこが旧暦での第一日です。
そして、その切り替えポイントは「0:00:00」であり、今回も「23:58:23」なので、ギリギリとはいえ26日の枠内にあります。
ところが、旧暦というのは万国共通のものではなく、多分にローカルなものです。例えば、中国の旧暦(農暦)は日本のそれと1時間の時差をもって作られています(厳密に言えば、閏月の入れ方のような旧暦の作り方そのものも違っていますが、ここではそのことは抜きにします)。
この1時間の時差があることで、日本と中国、あるいは台湾の旧暦では日付が一日違ってくることがありますし、閏月など旧暦月そのものが違ってしまう場合もあります。
過去の例で、きわどいものを探すと、例えば2005年12月2日がそうです。日本時間では「0:00:56」が朔(新月)の瞬間です。
この場合、中国暦では-1時間ですから前日の新月ということになり、旧暦の日付が一日ずれます。こういうことから考えてもローカル仕様だということがわかると思います。アメリカなど時差が大幅に異なる国での旧暦を作る場合にも、この辺の事情は当然絡んできます。
一方で、日本の中でも経度差によって旧暦の日付が違ってくる可能性もあります。ただ、そうはいっても、同じ国の中で旧暦日が違っては不都合が出てしまうので(行事などで今でも旧暦によっているところがある)、現実にそんなことになるとは思いません。しかし、紫微斗数など旧暦を使った占術で個人の運勢をみたり、梅花心易で時間起卦する際に、こうした微妙な違いが意味をもってくるんじゃないかと思うのです。
というわけで、先月の新月からこの満月までの個人的なデータを振り返っていますが、まだ判然としていないので(両方の影響が混じっているように思えるものもあるなど)、今は明言は避け、残りの期間も併せて考えていきたいと思います。
ところで、だいぶ前のことですが、占星術でのIC(ホロスコープ上の天底)に太陽が来る時を、その場所での切り替えポイントと仮置きして考えていました。けれど、それだと真太陽時になるわけで、旧暦でのシステムとは相容れないのかもしれません。一応、そんな疑問点も残しています。
それと、たまに日本や中国・台湾での旧暦表をもとに、海外の有名人を占っている人を見かけますが、日付が違ってくる可能性も考えておいたほうがいいと思います。たまたま日本時間で夜の新月に当たり、仮に-14時間しても同一日だったりする場合はいいですけども、それが前日の新月になるような場合は、旧暦の日付が合っているかどうか、という段階から考え直さなければならないでしょうから。
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