光洋商事株式会社による、組合つぶしを目的とした偽装譲渡・組合員解雇に対して、長崎県労働委員会は、12月7日、労組法7条1項に該当する不当労働行為と認定し、光洋商事とサカキ運輸に対して、組合員4人を現職に復帰させるよう命令しました。今年6月16日の長崎地裁の全面勝利判決に続いての、勝利命令です。
組合員4人は、一方的な労働条件切り下げや整備不良の車両運行などが続く中、2013年2月に建交労長崎合同支部に加入し光洋商事分会を結成しました。しかし、組合結成直後に企業閉鎖が発表され、サカキ運輸の準備が整った2013年9月末に組合員4人を解雇しました。組合員以外は、サカキ運輸に採用されました。
サカキ運輸は光洋商事は同一だ
建交労長崎合同支部は、2013年10月25日に長崎県労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを行っていました。県労委は、光洋商事が行った組合員の解雇とサカキ運輸の組合員不採用は、組合排除を目的としたものであり、不当労働行為であると認めました。また、光洋商事とサカキ運輸についても、サカキ運輸は光洋商事の一部門にすぎないと、同一であるとしました。
「同一」だからこそ生じた名義貸し借りの状態と県労委も指摘
さらに、サカキ運輸は光洋商事の名義で光洋商事の口座を使用して、2014年3月まで荷主と取引をしていました。2014年3月からは貨物利用運送契約を光洋商事との間で結び、実運送をサカキ運輸が行うこととなりましたが、長崎県労委は、2014年3月までの実態についても、貨物自動車運送事業法が禁止している「名義の貸し借り」の状態であったと解される、と指摘しています。そうした状態が可能であったのも、「サカキ運輸が光洋商事から独立していない状態であったが故に生じた」としています。
光洋商事は団交に応じ、早急に解決せよ
建交労長崎合同支部の飯田委員長は、「命令を手に、組合員の雇用と賃金の支払いについて団体交渉を申し入れる。光洋商事については、組合員を職場に戻し、法令順守・安全安心輸送の原点を取り戻し運送会社として再生してほしい」と述べています。