トンネルじん肺根絶訴訟第4陣東京地裁第1回弁論・・原告二人が陳述
トンネルじん肺根絶第4陣東京地裁訴訟の第1回弁論が9月7日、行われました。まず、4陣原告代表の松田哲朗さん(長崎県大村市在住)が、平成5年43歳から平成22年まで17年間働きじん肺にり患し、息切れや咳、タンに悩まされていることを訴えました。さらに、現在51歳の中川政和さん(愛媛県在住)が20歳から平成22年まで働き、じん肺になった悔しさを訴えました。
両氏は、被告ゼネコンが、平成年代になってからのトンネル現場は、粉じんは少なくなったと主張していることに反論し、実際は粉じんが立ち込めており、じん肺は発生し続けていることを告発しました。仕事をやっと退職しこれから人生を楽しもうという62歳の松田さんや働き盛りの51歳の中川さんの将来を考えると、不治の病であるじん肺にり患させたゼネコンの責任は重大です。さらに、監督責任を持つ国の責任も重大です。
第4陣訴訟の目的
第4陣訴訟の目的は、トンネル現場からじん肺を根絶するために2007年6月18日に原告と国が結んだ「トンネルじん肺防止対策に関する合意書」の完全実施と、裁判という大ごとを起こさないでも補償が受けられる「トンネルじん肺補償基金」を法制化させることです。
16年間たたかい続けています
建交労に結集する原告らは、1996年10月31日にトンネルじん肺全国請求団を結成してから16年間たたかい続けています。何十社というゼネコンを相手に、一歩も引かず裁判と裁判外行動を続け、原告勝利の和解をまず勝ち取りました。引き続き、全国トンネルじん肺根絶原告団を結成し、国を被告に監督責任を追及し5つの裁判所で勝利判決を勝ち取りました。国とは裁判を取り下げる替わりに粉じん対策を強化させたり、積算基準を改定させたり大きな成果を勝ち取りました。
根本的な対策に必要なことは
二人の原告が訴えたように、現在のトンネル現場でもじん肺は発生し続けています。原告団・弁護団と建交労は、トンネル現場からじん肺をなくすためには、坑内での労働時間を8時間以下に短縮し、粉じん暴露時間を減らすことが重要だと主張しています。
根本的な解決は、積算基準を守らせ、現場労働者にきちんとした賃金が渡るようにすることが必要です。トンネル工事は、ほとんど大手ゼネコンが受注します。そして、下請けに安く仕事を請けさせるのです。下請けは元請けにピンハネされれば、安全対策費を減らし、賃金を引き下げるため、労働時間の短縮などが進まないのです。トンネル工事を発注する国(国土交通省)は、元請けと下請けの関係は「民間同士の関係なので、指導はしない」と責任を放棄していますが、公金(税金)が末端まで行き届いているかの問題であり、責任逃れは許されません。
みなさんのご支援ご協力をお願いします
日本にはたくさんのトンネルが掘られてきました。トンネルの種類は、道路、鉄道、上下水道など様々です。トンネルの貫通によって、私たちの暮らしはとても便利になりました。しかし、トンネル工事は労働者の過酷な労働によって支えられてきたのです。第4陣訴訟がめざすたたかいに勝利するのは並大抵のことではありません。多くの皆さんのご支援ご協力をお願いいたします。
全国トンネルじん肺根絶訴訟長崎原告団 事務局長 中里研哉
トンネルじん肺根絶第4陣東京地裁訴訟の第1回弁論が9月7日、行われました。まず、4陣原告代表の松田哲朗さん(長崎県大村市在住)が、平成5年43歳から平成22年まで17年間働きじん肺にり患し、息切れや咳、タンに悩まされていることを訴えました。さらに、現在51歳の中川政和さん(愛媛県在住)が20歳から平成22年まで働き、じん肺になった悔しさを訴えました。
両氏は、被告ゼネコンが、平成年代になってからのトンネル現場は、粉じんは少なくなったと主張していることに反論し、実際は粉じんが立ち込めており、じん肺は発生し続けていることを告発しました。仕事をやっと退職しこれから人生を楽しもうという62歳の松田さんや働き盛りの51歳の中川さんの将来を考えると、不治の病であるじん肺にり患させたゼネコンの責任は重大です。さらに、監督責任を持つ国の責任も重大です。
第4陣訴訟の目的
第4陣訴訟の目的は、トンネル現場からじん肺を根絶するために2007年6月18日に原告と国が結んだ「トンネルじん肺防止対策に関する合意書」の完全実施と、裁判という大ごとを起こさないでも補償が受けられる「トンネルじん肺補償基金」を法制化させることです。
16年間たたかい続けています
建交労に結集する原告らは、1996年10月31日にトンネルじん肺全国請求団を結成してから16年間たたかい続けています。何十社というゼネコンを相手に、一歩も引かず裁判と裁判外行動を続け、原告勝利の和解をまず勝ち取りました。引き続き、全国トンネルじん肺根絶原告団を結成し、国を被告に監督責任を追及し5つの裁判所で勝利判決を勝ち取りました。国とは裁判を取り下げる替わりに粉じん対策を強化させたり、積算基準を改定させたり大きな成果を勝ち取りました。
根本的な対策に必要なことは
二人の原告が訴えたように、現在のトンネル現場でもじん肺は発生し続けています。原告団・弁護団と建交労は、トンネル現場からじん肺をなくすためには、坑内での労働時間を8時間以下に短縮し、粉じん暴露時間を減らすことが重要だと主張しています。
根本的な解決は、積算基準を守らせ、現場労働者にきちんとした賃金が渡るようにすることが必要です。トンネル工事は、ほとんど大手ゼネコンが受注します。そして、下請けに安く仕事を請けさせるのです。下請けは元請けにピンハネされれば、安全対策費を減らし、賃金を引き下げるため、労働時間の短縮などが進まないのです。トンネル工事を発注する国(国土交通省)は、元請けと下請けの関係は「民間同士の関係なので、指導はしない」と責任を放棄していますが、公金(税金)が末端まで行き届いているかの問題であり、責任逃れは許されません。
みなさんのご支援ご協力をお願いします
日本にはたくさんのトンネルが掘られてきました。トンネルの種類は、道路、鉄道、上下水道など様々です。トンネルの貫通によって、私たちの暮らしはとても便利になりました。しかし、トンネル工事は労働者の過酷な労働によって支えられてきたのです。第4陣訴訟がめざすたたかいに勝利するのは並大抵のことではありません。多くの皆さんのご支援ご協力をお願いいたします。
全国トンネルじん肺根絶訴訟長崎原告団 事務局長 中里研哉