11.7三菱長船じん肺第3陣訴訟判決
13名の損害を認め、5人の損害を否定
皆さんに支えられ2016年4月7日の提訴以来6年7ヶ月たたかってきた、三菱長船じん肺・アスベスト第3陣訴訟の判決が11月7日午前10時、長崎地方裁判所401号法廷でありました。
長崎地裁民事部の天川博義裁判長は、被告三菱重工業が原告を粉じん作業の現場で働かせたことを認め、原告の下請け労働者への安全配慮義務違反があったことを認めました。しかし、18名の患者原告のうち13名は勝訴判決でしたが、5人に対しては請求を全額棄却しました。
被告の言い分に傾倒した判決
判決は、「粉じん曝露について」、平成10年頃までには粉じん作業環境が大幅に改善されていることを理由に、それ以降働いた原告については三菱長船現場以外での就労が長いという理由で請求を棄却しました。石綿を長期間にわたって使用してきた2名について、1名は石綿ばく露を否定し、1名は続発性気管支炎が認められないという理由で最終管理区分決定が事項に該当するとして棄却しました。
請求が認められた原告に対しても、じん肺管理2と長崎労働局長が決定したにもかかわらず、被告協力医の主張
に傾倒し管理2とまでは言えないということで大幅な減額を行いました。今までのじん肺裁判で認められた標準基準額を満たしたのは3名のみで、死後解剖し「じん肺死」と労基署長が認めた原告についても、喫煙を理由に減額しました。
「命ある限りたたかい続ける」白木剛弁護団事務局長
判決報告集会で尾崎豊原告団長、田中竹子副団長は「全員救済をしなかった判決に対し納得できない」と憤りました。白木剛原告団事務局長からは「す
い臓がんが見つかり、医師から余命宣告を受けたが命ある限りたたかい続けるので、支援を最後までお願いします」と訴えがされ、参加者からも連帯の拍手が沸き起こりました。
横山巖弁護団長は「到底納得できる判決ではない。控訴して闘う決意である」と述べました。
三菱重工に加害責任を認めさせた意義は大きい
三菱長船第1陣訴訟(本工のみ)、第2陣訴訟(本工と下請け)、下関じん肺訴訟1次(下請けのみ)、同2次(下請けのみ)に引き続いて加害責任を認めさせたことは大きな意義があります。マスコミ報道では田中竹子副団長、濱口ヤエ子副団長を取材した記事も大きく掲載され、造船現場での下請け労働者の実態が取り上げられました。
引き続き支援を強めます
じん肺キャラバン長崎実行委員会は、三菱長船じん肺第3陣訴訟の勝訴に向け裁判所への要請ハガキによる支援行動などに取り組んできました。控訴審での全員勝訴に向け今後も引き続き支援を強めていきます。