私の音楽 & オーディオ遍歴

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葉加瀬太郎、フィドルに挑戦

2011年08月25日 | ワールド
『旅のチカラ"バイオリンは歌い フィドルは踊る ~葉加瀬太郎 アイルランド~"』 (BSプレミアム)を視聴しましたので感想を書き留めておきます。

~番組紹介より~
 ジャンルを越えて活躍をしているバイオリニストの葉加瀬太郎さん。現在、日本を離れて、ロンドンで自分の音楽を見つめ直す日々を送っている。そんな葉加瀬さんが、アイルランドの伝統音楽に欠かせない楽器「フィドル」に心惹かれて、憧れの地アイルランドを訪ねる。
 「バイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」と言われるほど、バイオリンはメロディーを奏で、フィドルはビートを刻む。使う楽器は同じでも、バイオリンとフィドルとでは、奏法が全く異なり奏でる音も違う。番組では、葉加瀬さんがアイルランド西部のクレア地方を訪ねて、音楽が人生そのものという人々と出会い、心揺さぶれる体験をする。そして、この旅で得たチカラとは・・・。


 日本には明治以降に外国から入ってきた音楽がいくつもあります。クラシックもその一つ。
 島国ながらもあまり排他的ではないところが日本の国民性の特徴ですが、やはり多数派として根付くところまでいく文化は少ないのが現状です。これは宗教の分野でも同じですね。

 さて、外来文化が根付くためには、その国用に多少アレンジされる傾向があります。葉加瀬太郎さんは逆にクラシックの殻を破ることにより大衆化を図った一人と捉えることもできます。
 このような試みはボサノバ(サンバ+ジャズ)のようにたまに成功することがありますが、うまくいかないことの方が多いような印象があります。
 葉加瀬さんのCDをいくつか所有していますが「ポップスやロックをあえてヴァイオリンで奏でる」意義が私には見いだせません。よく云えば「エンターテインメント」ですが、歌舞伎で云えば「外連」に過ぎないような・・・。
 
 番組の中でフィドルの名手として紹介された人々の音色は素朴で、アイルランドの鄙びた自然が聞こえてくるようです。一方、葉加瀬さんのヴァイオリンの音色はつややかで、逆に違和感を感じました。

 要は「その土地で培われた文化」かどうかなのでしょう。
 アイルランドの人たちには素朴な音でビートを刻むのがフィドルの役割であり、つややかな色っぽい音は必要ないのです。
 その狭間に陥ると自己矛盾で悩むことになりますね。
 葉加瀬さんは今後どのように自分の中で消化していくのでしょうか。見守っていきたいと思います。


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