私の音楽 & オーディオ遍歴

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日本の南の島の歌

2018年08月05日 | ワールド
 日本の南の島の歌のドキュメンタリーを2つ見る機会がありました。両方とも、沖縄の南にある島です。


1.『スケッチ・オブ・ミャーク


2.「月ぬ美(かい)しゃ〜八重山うた紀行〜」(初回放送2003年、NHK-BSプレミアム)

 「ミャーク」とは宮古島のこと。
 宮古島を含む宮古列島は沖縄と台湾の中間くらいに位置し、
 石垣島、西表島を含む八重山列島は、台湾と国境を接している位置。
 そして宮古列島と八重山列島の北には、尖閣諸島があります。

<参考>
宮古列島・八重山列島・尖閣諸島の位置関係



 1では、カメラを向けるとなかなか歌ってくれない人たちが、ポツリポツリと歌い出す感じ。
 2では、NHKの影響力の強さを感じる、ドキュメンタリー作りのプロの仕事という感じ。
 2の方が歌の背景も解説されていて、理解が深まりました。

 歴史と文化が異なるので、伝えられてきた歌も日本本土(?)のそれとは異なる印象です。
 ゆったりした三線の伴奏に乗った緩やかな歌・・・私には子守歌のようにも聞こえます。
 アメリカのブルーズで多用される「call & response」的構成も見え隠れします。

 民俗学の先達達も、南の島の調査を熱心に行ってきました。
 日本本土との違いを検証する一方で、日本本土が失ってしまった信仰や生活が残っていることがあり、それを拾う作業的要素もあるようです。
 本土の神社に相当する信仰の場所「御嶽」は両方に登場しました。

 その歌詞には琉球王国や薩摩藩の支配下でのつらい生活も歌われています。
 裏声を多用するのは、方言+裏声で、薩摩藩を批判する歌詞をカモフラージュした、と聞いたこともあります。

 「琉球王国には“戦争”という言葉が存在しなかった」と耳にしたことがあります。
 平和の象徴として語られるセリフですね。
 しかし番組中、琉球王国が島民を強制移住させて歴史もあることを紹介していました。
 移住先で大変苦労し、死んでいった島民もたくさん。
 決して“楽園”だったわけではないようです。

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