1970年代にビリー・ジョエルが登場する前は、“ピアノ・マン”といえばエルトン・ジョンでした。
私が中学生の時にビリー・ジョエルがストレンジャーでブレイクしたので、リアルタイムにエルトン・ジョンは知りません。
大学生時代に読んだ柴門ふみのマンガ「僕の歌は君の歌」の、題名の歌を歌っていたのがエルトン・ジョンだと間接的に知っていたくらい。
「ベストヒットUSA」などでたまに動画を目にすると、ピエロみたいな派手な衣装で身を包んでいる姿。
なんだかピンと来ませんでした。
その後、ダイアナ妃の追悼コンサートで“Candle in the wind”を歌い、世界に再認識されました。
うん、いい歌だな、と私も思いました。
しかしそれ以降、彼に関する情報はあまり聞こえてきません。
そんな折、この番組が放送されました。
今やでっぷりメタボのエルトンが、インタビューに答えて自分の人生のかけらをポツリポツリつぶやきます。
コカインで身を崩したこと、
ゲイであることを受け入れられない家族(特に母親)との葛藤、
心臓にはステントが入り、前立腺癌とも闘病、
家族を持つ喜びに目覚めたこと。
波瀾万丈の人生を過ごしてきた満身創痍の彼を見ていると、
人生一筋縄ではいかないもんだな、とつくづく感じました。
□ 「エルトン・ジョンの全豹」(2020.4.1放送、NHK-BS)
50年にわたるポップ音楽のキャリアの集大成として「最後の世界ツアー」を行っているエルトン・ジョン。最新インタビューで、「ロケットマン」の軌跡と、独自の世界観を語る。
自伝を刊行し、映画「ロケットマン」を自ら製作総指揮した72歳のエルトン・ジョン。フランス・ニースの自宅で、BBC司会者グラハム・ノートンを相手に「今年唯一のメディア対応」を行った。番組では、5度のグラミー賞に輝くヒットメーカーの名曲の数々を紹介。愛情の薄い家庭に育った少年時代や、ドラッグと酒に溺れた日々、そして自己再生や社会貢献活動などを、カラフルな記録映像と、ユーモアと自嘲にあふれた回想で描く。
原題:Elton John Uncensored
制作:BBC(イギリス 2019年)