第3世代のSupersix EVOにはHollowGram KNØT StemとカーボンのHollowGram SAVE SystemBarをアセンブルしていますが、純粋な一体型ではないものの、専用設計のため、他メーカーのハンドルが装着できないのです。それに対し第4世代のSupersix EVOはステム一体型ハンドルを選ばなければ、完成車付属のC1 Conceal Stemは一般のハンドルバーが装着可能な設計になっています。
一体型でないとヘッド周りの乱流でエアロ性能は少し落ちますが、それよりもフレアハンドルを利用し、フォームのCDA値を下げることの方がエアロ性能ははるかに大きいと感じています。第3世代のSupersix EVOはSAVEステムと専用ハンドルバーに交換してしまっているので、フレアハンドルが装着できません。VISIONのMETRON AEROを装着した第4世代とは実際の走りでその違いは明確でした。僅か10度、長さにして5㎜ブラケット位置が内向きになるだけなのにです。個人的にはカーボンディープリム・ホイールを買う前に、気付いていれば、ディープリムホイールは買わなかったかもしれないと思わせるほどなのです。
最近のエアロロードにはフレアハンドルが最初からアセンブルされることも多くなりましたが、第4世代のSupersix EVOの最上級モデルLAB71のMOMOデザインの専用ハンドルはフレアではありません。確かに見た目もよくエアロ効果も高そうなステム一体型ハンドルですが、フレアハンドルの内向きブラケットほど、実走でエアロ効果が得られるかといえば、疑問が残ります。
空気抵抗には物体後方に起こる乱流によるものと、CDA値(前衛投影面積)によるものとがあります。一体型ハンドルは前者には有効ですが、後者には影響がありません。フレアハンドルでブラケットを内向きに設置することで、CDA値はかなり小さくできますから、そちらのエアロ効果の方がはるかに大きいのです。
コルナゴのY1RsのY字ハンドルバーとヘッドチューブが作るCDA値はV4Rsより19%も小さくなるというデータがコルナゴから示されています。V4Rsが28689㎜2なのに対しY1Rsは23438㎜2になるというのです。これは驚くべき数値です。専用ハンドルのCC.Y1 は一度は使ってみたいと思わせる形状をしているのです。勿論、フレアハンドルですが、377-400㎜と397-420㎜の2種類のハンドル幅とステム長は最短が95㎜しかないのです。