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美しい自然とともに

”イェンタウン”の人たち。

2014-03-12 21:31:53 | 日記

身体の具合は良くなっているような気がする。

”気がする”というのは、生活をしている中で”病気”なんて忘れているから。

その中で、フッと気がつくと目が回っている。ときには気持ち悪くなっていたりする。

そんな時「あ、また目が回っている」と思うだけでさほど気にならない。

気持ちが悪くなっているときでも、「目が回るからかな」なんて思うだけ。

こんな具合だから良くなってきていると思う。

車を運転するようになってから読む時間がぐっと少なくなったのだが、相変わらず本を読んでいる。

本は違う世界に連れて行ってくれるから。でも、あんまり突飛なところに連れて行かれても気持ちがついていかれない。

 

先日は岩井俊二の「スワロウテイル」を読んだ。

僕はこの意味を燕のしっぽのことかと思って読んでいたのだがどうも変なので調べてみると、アゲハ蝶のことだった。

そういえば”イェンタウン”という街に出てくる女の人は胸にアゲハチョウの綺麗な刺青をしている。そして、その人を慕う女の子も名前を”アゲハ”という。

この娘らを中心に話は進んでいくのだが。

この架空の街イェンタウンに住んでいる人たちは国籍不明の人たち。自分たちでもどこの国から来たのかわからない。

タイ人かフィリピン人か中国人かそれとも日本人なのか。

でも読み進むうちに、この架空のダウンタウンの中で起こっていることが本当にあったことのように思えてくる。

食うために売春をする女。墓を暴いて死体と一緒に埋葬してある物を売り飛ばして金にする。そして、殺人も。

こんな人たちもそこらにいるように思えてくる。

みんな欲と希望にゴチャ混ぜになりながら生き抜いていく。

岩井俊二という人はこんな街をどうして思いつくのだろう。未来の街なのか過去の街なのか、現在のことなのか全く不明なのに。

決して作った話の街ではないような、どこか少し遠くに行くとあるような気がする街。

 

とんでもない世界にこの本は連れて行ってくれたけれど、未来はどんな具合でも自分で開いていくんだなと何故か思った。

風邪をひいて、ひと月も治らずフラフラゾクゾクしながら読んだ本だけれど。