この間、江國香織さんの「東京タワー」を読んだ。
古本屋で見かけ,以前話題になった本なのだが読んでいなかったので読んでみようかと購入。
最近、なんだか恋愛小説でも読みたいと、江國香織さんの本を見ていたのだが、この本は少し変わった恋愛小説。
でも、面白かった。
読み終わって巻末についている、新刊案内を読んでいたら、江國さんの欄に「きらきらひかる」の案内が出ていた。
その説明に「妻はアル中、夫はホモ。セックスレスの奇妙な新婚夫婦を軸に描く、素敵な愛の物語」とあった。
これを見たらこの本が読みたくなって本屋へ行って「きらきらひかる」を探してきた。
アル中の笑子と医者でホモの睦月が結婚生活を始める。そこに、睦月の恋人、紺くんというとってもかっこいい男が絡んで話が進んでいくのだ。
この紺くんという男は僕には頭がよくとっても美男子に映った。
まだ学生のようだがきっと大学では女の子がほってはおかずに色々とちょっかいを出してきているのだろう。
睦月も医者らしく落ち着いて人の話をよく聞く人のようで、しかもなかなか我慢強い。好感の持てる人のようだ。はた目にはホモとは思えない。
笑子はアル中というが、僕から見るとお酒が好きな人という感じ。少し精神が不安定でうつのけがあるけれど。
こんな人たちの物語なのに、読んでいると決して嫌悪感はかんじない。
むしろ好感さえ抱く。違う世界のことのようには思えないのだ。
それぞれがお互いを大切にし合って生きていく。
趣味嗜好は違うのだがそれはお互いの特性として認め合っている。
江國さんはあとがきに
「恋をしたり信じ合ったりするのは無謀なことだと思います。どう考えたって蛮勇です」と書いている。
夫婦といえどもお互いを大切ににして、一個の人格を認めて生活していかなければいけないのだろうと思った。
それにしては随分変わった設定にしたものだが。