Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

応援団に捧げた青春(9)/応援指導部の練習メニュー『テク』編

2007-05-30 19:25:15 | 応援団シリーズ化記事
校歌・応援歌や、野球の応援の流れなどを一通り覚えると、ようやく全体練習に加われます

小生が全体練習に加われたのは、ゴールデンウィークが始まる1週間前くらいではなかったかな?と思います
その翌日か、2日後くらいに、「新入部員歓迎コンパ」があったような記憶があるので、おぼつかないですが…そんな時期だったと思います。

ルーチンで行う練習は、特別な行事がなければ1時間半で終わります。

1週間のうち3日が「テク」と呼ばれる、いわゆる応援に必要な技量を磨く内容のものです。
1週間のうち2日は、「ハード」と呼ばれるもので、簡単に言うと、体力強化練習です。
1週間のうち1日は「レク」で、「ハード」の練習をやる近くの八幡様の中にある広場か、ちょっと出かけて、やっぱり広場が大きい公園などで、ソフトボールをやります。

今回はその練習メニューのうち、『テク』の内容についてご紹介しようと思います。


練習が始まる前に、団長の「集合の号令の下に全員が集合し、リーダー幹部から御一人御一人練習に当たっての心構えをご教示いただきます。

これが終わると、リーダー長の号令で部員全員が輪になって広がり、先ずは発声練習から始まります。
「覇気(はっけ)良~くのリーダー長の号令で始まり、リーダー長が発声練習を止めるまでは、下級生部員も各々のペースで、発声練習を行います。
ただし、一時の静寂も許さないので、誰か一人は、必ず発声していなければなりません。このあたりも、息が合わないとダメなんですね

この時、「スラーと主に発声するのですが、このときの「テク」は、慶応義塾の塾歌のエールを切る動作がベースの、3種類の「動作」も交えます。

リーダー長の動作がとまったら、次に「八呼間」と呼ばれる、主にメインリーダーが応援歌などに合わせて腕を「前→横」と繰り返す、読者の皆さんも良く見かける動作の練習を行います。
これも、リーダー長が辞めない限りは続くので、大変です。

よく、甲子園に出場する高校の応援団員の中に、この動作で、腕を前に下ろすときと、横に広げるときに、前と横でピタッと「止まらない」生徒が良く見られます。
正直、あれは「鍛え方」が足りず、格好だけを真似てやるからそうなるのです。
こうなると、疲労を身体で感じると、腰も前後に揺れるので、身体の軸がブレてしまい、見ているこちらが「苦しく」なることがあります。
本当に鍛えると、自然に腰はおろか、頭もピクリとも動かなくなるものです。
そして、必ず、メリハリよく腕を動かせることができ、止めるべきところでは、しっかり止めることができるようになり、テク自体も大きく見えるようになります。こうなれば「本物」です。
(応援のメインリーダーをやっている高校生の読者の皆さん、これを心がけて頑張ってください。)

八呼間のリーダー長の動作が止まったら、主に下級生部員から「春~高~っ、トス(“トス”を数回繰り返します。発声者の“トス”と“トス”の合間で、全員が“トス”と発声します)と掛け声が始まり、ほぼ全員がこれを行ったところを見計らって、リーダー長が「締め」のために「春高トス」を行い、発声練習がようやく終わります。

ただし、次の練習に入るまでに、リーダー長が「(姿勢を)崩していいよ」とおっしゃっていただかない限りは、発声練習した姿勢のまま、次のリーダー長の号令を待たねばなりません。
腰が痛いから叩いたりとか、立ちっぱなしでひざが痛く、ひざを回してこれを和らげるなどの「クールダウン」的な運動することすら許されません

これが終わると「腰割れ」と呼ばれる、両足を肩幅くらいに広げ、両足のつま先は左は真左、右は真右に向け、腰を大腿筋が地面と平行かそれより「わずかに」高い位置で、ひたすら上下させる運動をします。
「四股」が上手に踏めるために、必要な「練習」です。

一人あたり「10」を数え、一周してリーダー長の所に戻ったら、「下ろしてと号令がかかり、大腿筋を地面と平行に下ろし、胸を張ったまま、発声練習で行った「春高トス」を行います。リーダー長が「締め」で「春高トス」と発しない限りは、その姿勢のままを維持しなければなりませんから、「空気椅子」状態で、5分間程度は最低でも耐えないといけません
これが、とてもきつい
どうしてもこの姿勢を継続すると、次第に「前かがみ」になります。これじゃダメなんですね…
しかも、先輩が竹刀か、モップの柄のような棒を持ってきて、大腿筋の上に乗せると、大腿筋が高い位置にあれば棒が転がって落ちるので、その時点で「もっと下げろという「ご指導」を受けます。逆に、大腿筋を下げすぎると、どうしても姿勢が前かがみになるので、棒を腰の辺りで落ちないように「挟む」格好になりますから、「もっと胸を張ってという「ご指導」が、やはり来ます。

リーダー長の「止め」の号令でこの練習は終わりますが、本当にごまかしなしで鍛えると、同じ姿勢のまま立てなくなります。これが「正解」です
(読者の皆さん…想像しながらやってみてください。言葉で表現する以上に大変なこと…ご理解いただけると思います。)

これが終わると、より実践に近い練習に入ります。

先ずは、下級生部員が応援を大声で「歌う」というよりは、音程を無視して「歌詞を叫ぶ」ときに手を叩く動作である、「サーブ」と呼ばれる練習を行います。
これは、リーダー長の「八呼間」に合わせて腕を前に下ろしたときと、横に広げたときに「ファイト」と掛け声を出しながら、リーダー長の「八呼間」のテンポに合わせて手を打ち続けます。
したがって、リーダー長の動きを一瞬たりとも見逃さず、凝視する必要があります。

この練習…冬場は、「皸」になるほど強く、ひたすら手を打ち続けます。
部員の中には、血を割れた傷口から噴出しながら手を打ち続ける者もいるという、大変厳しい練習です。
実際、小生も何度か冬場に「皸」に悩まされました
女性が愛用する、ハンドクリームが重宝しましたね

「サーブ」が終わると、次は「拍手」の練習です。

拍手演技を「持ちテク」とされる先輩がメインリーダーを務め、その動作に合わせて「拍手」の「強弱」をつけます。
そのときの姿勢は、「サーブ」は腕を動かしますが、「拍手」は、上腕筋を地面と平行の位置に保ったまま、肘から手先までだけを動かすだけなので、肩の筋力がないと、この姿勢は保てません。常に、上腕筋と手の平との間にできる「三角形の隙間」から、メインリーダーの先輩の動作を凝視しながら、「ファイトファイト」と声を出しながら「拍手」を続けることになります。
なので、新入部員はあっという間に、肩の筋肉が「水泳選手並み」に発達します

ちなみに、小生のプロフィールにある写真が、ちょうど「拍手」の練習のときの様子です。
「こんな感じなんだ~」と思っていただけましたら、助かります

「拍手」の練習の後は、『校歌』を歌うときの「動作」の練習です。

団長がメインリーダーとなって、『校歌』のテクを披露し、それに合わせて下級生部員が左手は腰に当て、右手を振る動作を練習します。
下級生(3学年揃っている時期は2年生部員が、2学年のときは1年生部員)が、リーダー長に指名され、次の誰かに指名されるまで「1・2」と合図を発して、他の下級生部員は「ファイトファイト」と、やはりここでも声を絶やすことはありません。

腕を回せるので小生は一番好きな練習でしたが、これも、肩が柔らかくないと動作が小さくなるので、「矯正」されます。

この練習が終わると、リーダー長から「太鼓作ってという指示を受け、「太鼓班」に任命された2名が「制限時間内」に太鼓(バスドラム)を組み立てて、校歌・応援歌の練習に入ります。
場合に応じて、団旗も「制限時間内」に組み立てることがあります。

また、校歌・応援歌の練習の前に、団旗や太鼓を組み立てるための「練習」をすることもあります。
(組み立てて、たたむ…を繰り返します。制限時間内にできなければ、当然、「罰」が待っています。また、団旗をこの時地面につけても、同様に「罰」が来ます。)

ですので、『テク』の練習では、団旗と太鼓は、常に持って部室を後にします。
なお、もちろん、練習の時点では校歌・応援歌で、吹奏楽は「なし」です。
(大学の応援団のように、3パート存在しているわけではないので…。)

通常、第一応援歌『秩父の嶺』から始まり、最後は『校歌』で終わります。

『校歌』を歌い終わると、団長が「集合と号令をかけて、練習が始まる前と同様に集合し、リーダー幹部御一人ずつ練習内容についての「講評」を頂戴して、最後に団長の「押忍の号令で、1日の『テク』の練習が終わります

練習が終わっても、先輩が帰宅の途に就くまでは、1年生は帰宅が許されません。

リーダー幹部の先輩が帰宅された後、2年生部員から細かい点(何でこんなところまで見ているの…という、本当に凄く細かいことです)の「ご指導」があったりもするので、1年生は大変です

3学年揃っているときで、リーダー幹部の先輩が皆さん帰宅された後、「ご指導」下さるのは、大抵K先輩でした。

「今日の君たちの気合は、よろしくないね…」とか、「あそこでは、○○しちゃダメなんだ」とか、色々なご指導を受けた記憶があります。
リーダー幹部の先輩は見ていて知っているけど、1年生部員には直接叱らずにいるのは、こういった形で、1学年先輩から「指導」するという風土があるからです。
ある意味、会社の組織に似ていますね。
リーダー幹部が「役員」で、1年生部員が「平社員」なら、2年生部員はちょうど「中間管理職」みたいな感じです。

それもこれもすべて終わって、2年生部員が全員帰宅すると、1年生部員の「天下」となります。
このときが、練習もしっかりやって、しっかり「ご指導」も受けたあとで、同期でワイワイやれ、羽を伸ばせる「至福のとき」でしたね

これを、学年は次第に上がっていくけれど、引退までの2年間…ほぼ毎日のように続けることになります


次回は、1週間に2回程ある『ハード』の練習内容を紹介したいと思います

その後、『新入部員歓迎コンパ』の様子をお話した後…いよいよ『臙脂の集い』に向けた「地獄の練習」へと突入します。

どうぞお楽しみに

(次回に続く)
Comments (4)
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