古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第八章 レディ・ワシントン号 その十八

2011年10月24日 09時41分50秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号第七ページ(上の写真の一、二行目)

解読  辰巳沖へ向まきれ出候処、東風強候故歟又々

    走戻り、大嶋浦上之口へ汐懸り致候躰ニ相見へ

読み方 辰巳沖へ向かいまぎれいで候処、東風強く候故か、又々

    走り戻り、大嶋浦上ミの口へ汐懸かり致し候ていに相見え、

解説  「辰巳」・・・東南の方角。 「向まぎれ出」・・・風に逆らって帆走するさま。 縦棒は「候」。 「東風」の次は「強」、次の点は「候」。 この「故」は一番ひどい崩し字で、しかも縦形で3の様な字になっています。横形でmのような字になるのが普通です。 次のnのような字は「歟」で「か?」。窮極の崩し方です。 二行目最初は「走戻り」。 「汐懸り」・・・「懸り」読むのは無理ですが、三度目ですから、文意で読めます。 「致候躰」の下の字は読めませんが、一応「ニ」と読んでおきます。次の行にも出ますが、この人の癖のようです。 最後は「相見え」。 

文意 異国船二艘は東南方向へ風に逆らって出て行ったが、東風が強くなってきたきた為か、又戻って来て、大嶋上口へ停泊したように見え、・・・