古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第八章 レイディ・ワシントン号・その二十二

2011年10月28日 08時55分16秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

淑女ワシントン号第八ページ(上の写真の一行目~二行目)

解読  先達而被仰聞候、口熊野古座組黒嶋

    沖ニ日和待汐懸り致罷有候唐ら舩躰之

読み方 先だって仰せ聞かされ候、口熊野古座組黒嶋

    沖に日和待ち、汐懸かり致し罷りあり候、から船ていの

解説  「先達而」・・・「先だって」。慣用句です。 「被仰聞」・・・下から返って「仰せ聞かされ」。「仰」の文字が長く、二文字に見えます。「聞」の崩しも何度も出ました。形で覚える字です。 「口熊野」・・・「奥熊野」に対する地域名で、周参見代官所管内の「周参見」「江田」「古座」「三尾川」「四番」の五組の総称。 「黒嶋」・・・和歌山県南部の古座川河口約一キロ沖の小島。現在は「九龍島」と書きます。 「日和待」・・・「待」は簡単な文字ですが、崩し方は難しく、何度出て来ても読みにくい字です。形で覚える字。 「汐懸り」・・・既出ですが、「懸」もこれだけでは読めません。「汐」とセットで読む。形で覚える字。 「罷有候」・・・この字も難しく、文章の流れから読む、形で覚える字です。 「唐ら舩躰之」・・・何度も出ました。 

この章も、内容はあまり大した事はないのですが、同じような文字が何度も出て来るので、古文書の学習としては適当ですから、少し難解ですが繰り返しお付き合いください。本章の表題は「レディ・ワシントン号」としていますが、当時は勿論船名も国名も分からず、本文では名前など全く出てきません。『念のため』。