21世紀 脱原発 市民ウォーク in 滋賀

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行き詰る 福島第一原発の 汚染水処理

2018-10-15 10:13:33 | 記事
◆ 第72回・脱原発市民ウォークin滋賀のご案内 ◆

  2018年10月20日(土)午後1時半、JR膳所駅前広場 

第72回脱原発市民ウォークを上記のとおりおこないます。
何かとお忙しいことと思いますが、
都合のつく方はぜひ足をお運びください。
誰でも自由に参加できます。

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■ 行き詰る福島第一原発の汚染水処理 ■

安倍首相は2013年9月にブエノスアイレスでおこなった五輪招致演説において福島第一原発の状況は「アンダーコントロール」(コントロールされている)と誇らしげに述べましたが、その汚染水処理は完全に行き詰っています。

9月29日の朝日新聞によれば、東京電力が9月28日に、これまでに浄化したはずの約89万トンのうち8割超にあたる約75万トンにおいて、処理水中に含まれる放射性物質が放出基準値を上回っていたことを明らかにしたとされています。東電はこれまでALPSと称される設備(多核種除去設備:東芝、日立が開発)などを用いれば水素と同じ化学的性質のトリチウム(三重水素:水素の放射性同位体)以外の62種類の放射性物質は除去することができるとしていたのですが(注を参照)、実際には処理された大半の汚染水からはストロンチウムなどの放射性物質は十分には除去されていなかったのです。

(注:汚染水処理のプロセスは正確には、はじめにセシウムとストロンチウムを「サリー(東芝など)」と「キュリオン(米キュリオン社)」という装置で分離したのち、淡水化装置で塩分を分離し、そこまで処理された水の一部は再度原子炉冷却に利用され、残りをALPSにかけて、トリチウム以外の核種を分離するとされています:原子力資料情報室の資料より)

東電は汚染水が十分に浄化されていなかったことの理由として、ALPSの不具合により高濃度の汚染水が混入したことや放射性物質を除去するための吸着剤の交換が遅れたことなどを挙げていますが、いずれにしても1回の処理で十分に浄化するはできないことが明らかになったのです。このため、完全に浄化するためには数回処理をくり返すことが必要であることは明らかです。しかし、数回の処理をくり返すためにはかなりの数の設備とかなりの費用がさらに必要となります。また、現状の処理能力は一日1500トン程度ですから、再処理を実行し十分に浄化するとなれば、おそらくさらに何年もの時間を要することになるものと思われます。あるいは、現存のものよりももっと優れた、確実に放射性物質を除去することができる装置の開発が必要とされるでしょう。このような状況を考えると、汚染水処理の先行きはきわめて不透明であると言わざるを得ません。

また、これらの放射性物質がALPSなどにより完全に除去されたとしても、大量の汚染水から低濃度のトリチウムを十分に除去することは極めて困難であるという問題が存在しています。このため原子力規制委員会は当初からトリチウムを含む汚染水の処理の唯一の選択肢は海中への投棄であるとしており、東京電力も海中への投棄を意図しています。

トリチウムは宇宙線と大気の反応により発生し、自然界には酸素と結びついたトリチウム水の形で存在していますが、原発での核分裂反応や核実験によっても発生し、また再処理工場でも生じており、原発と再処理工場の場合は大気中または海中に放出されています。

トリチウムの人体への影響は不明な部分が多いのですが、人体内でベータ線を発するため、癌の発生確率が高まるのではないかと懸念され、そのためたとえば米国では、事故を起こしたわけではない正常に運転されている原発からのトリチウムで飲み水が汚染され放射線に弱い赤ちゃんなどが白血病になったとして訴訟が起こされています。

漁業関係者は漁業に対する風評被害が広がることは避けられないとして汚染水の海洋投棄に反対しており、また8月に開かれた公聴会でも意見陳述者の大半が環境中の放出に反対しています。このような状況の中で「薄めさえすれば流せる」として、トリチウムを含んでいる汚染水を海洋に放出してよいのか、非常に疑問に思われます。今後、福島原発の汚染水が最終的にどのようにことになるのか先行き不透明であり、このため市民として汚染水の問題に関心を持ち、今後しっかりこの問題を見守っていかなければなりません。

注:上記の朝日新聞記事は、デジタル版がコチラに掲載されています

2018年10月12日 脱原発市民ウォークin滋賀
呼びかけ人の一人:池田 進
 (連絡先:電話 077-522-5415)


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