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湿った窟内では闇の中でおもむろに読経が始まり、
いよいよ入山潅頂の儀式の始まりです。
掌に載るほどの大きさに組み上げられた護摩壇に
大先達が火を入れた刹那にすえたカビ臭い空間は消え
ヒノキの枝が燻ぶる香にも似た独特の香りに包まれ
まさにイニシエーションの場に一変します。
しかし、それも束の間。いたたまれないほどの煙が
窟内に充満して目からは涙、喉はむせてまさに苦行の体。
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般若心経の読経と真言の唱和がおこなわれて、
一行は先達から頭を低くして拝むように促されます。
そうして銀のカップ状の容器に入れられた聖水が
小さな柄杓で順に頭に注がれました。
古代インドの王の即位式の所作が再現されます。
長い時間を経ての儀礼の継承に少し感動しつつ。