マルテの手記(*1)
この本を読んだら
なにかが解るかもしれない
とおもって読んだ
昔々その昔
学生服を着て歩き
でかんしょでかんしょではんとし暮らす(*2)
あとのはんとしゃ寝て暮らす、と
どなっていた頃
どくしょどくしょと
うなっていた頃
読書のことがかいてあった
おんなじようなことを
マルテがかんがえて
読書に熱中するくだりがある
大人とみなされて
予期しない経験に出くわしたとき
みがまえること
それは大人用の経験だから
手に負えなかった
むしろその経験は
子供時代の経験に
おいしい栄養たっぷりのミルクが
どっさりある場所を
おしえてくれた・・・
大人の知恵がはじまらないと
子供の知恵も終わらないことが
感じ取れたという
でかんしょをうたわなくなっても
大人と子供の間を行き来して
かなりの読書をこなしたが
大人か子供かはっきりしない
いまよれよれの脳の襞に
こっそりとかくれて
何とかの手記なんてものを
かいているのだろうか
パルミジャーノ・レッジャーノが
チーズとしてはおいしいけれど
(*1)リルケ作
(*2)デカルト・カント・ショーペンハウアーを合成した歌言葉