ブックカバーチャレンジもどき 9日目
『ロジャーズ主要著作集』
心理カウンセリングには色々と種類(?)があります。
以前お会いした相談などを生業としている方で、過去にカウンセリングで嫌な思いをして「カウンセリングと名のつくものは一切信用しない」という方がいたんだけど、「多分、このカウンセリングはあなたの受けたのとは違うよ〜。」と言いたかったのだが(カウンセリングを受ける事をすすめたかった訳ではない)、とにかくカウンセリングという言葉に対する拒否が凄くて、何も言えなかった。
「クライアント中心療法」という、この心理カウンセリングは、私が理解している所によると、
「人は、その人がその人のままで十分に受け入れられる環境にあれば、自ずと成長の方向へ向かう」という考え方を基としていて、私はそれが好きだ。
その人に教えようとも、導こうともしない。いや、むしろ、してはいけない、という考え。
以下、私の理解している所による話です。なので、本当は違うかもしれないけど。
このカウンセリングではその人をそのまま受け入れるために全精力を注ぐ。手段としては、主には傾聴と受容です。この、傾聴を侮るなかれ。今や傾聴とはよく耳にする言葉になりました。職場の記録でも「傾聴した」とよく書かれている。自分の考え方とか思いとかを捨てて、人の話を聞くのは本当に難しい。そして受容するのも難しい。分かっていても、ついつい自分の中の勝手な答えを相手に押し付けようとしてしまう。そんな事はいらなくて、必要なのは、ただただ、その人の思いや感情やその人自身を受けいれる事なのに。頭では理解したつもりでも、実際にやってみると、本当に難しい。そして、自分が感じた事を、相手に伝える。これは「あなたの言っていることをこう聴きましたよ。合ってますか?」というフィードバックですが、これもまた難しい。せっかく感じたのに、すぐに忘れちゃったりとか。自分自身が、感じる事にとても敏感にならなければいけない。
でも、こうして、自身を受け入れてもらえたと実感した人は、自分自身をも受け入れられるようになって、「自ずと」成長していく。
この「自ずと」というのは、「勝手に」と私は思っていて、それは、その人自身が、頑張って成長しようとして成長するのではなく「気づいたら成長してた!」というイメージ。
そして、自分自身を受け入れられるようになった人は、他の人を受け入れやすくなっていく。
この理論も好き。そうなれば、世界平和への近道は、政治でも宗教でもなくて、傾聴と受容なんじゃないかと思っている。
たとえ、完全な傾聴や受容じゃなくても、受容されたと思ったレベルに相応の成長があると思っているので、なんだろ、私にも出来ることがある、と思っている。
好きなだけで、真実なのかどうかはわからない。けど、信じたい。