夏の終わりの昼下がり…庭から家へ上がろうとしてふと足元を見ると…土留めの上に触覚の細長い黒地に白斑の虫が転がっていた…。
ゴマダラカミキリだ…。
この虫は蜜柑などの木を食い荒らす害虫なのだが…ただの昆虫として眺めている分にはとても魅力的な虫だ…。
取り立てて珍しい虫というわけではなく…日本全国何処にでも居るらしいが…。
特に気に入っているのは…先の方ですっと弧を描く触角…そして星空のような模様である…。
何処から来たんだろう…。
うちにはこいつが気に入るような果樹系の木はないんだけどなぁ…。
捕まえても飼う気はないし…殺すのも可哀想だし…そのままにしておいた…。
子供に見せようかな…とも思ったが…この種のカミキリムシは前にも見たことがあるから…それほど喜ばないだろう…。
特に…虫嫌いの方は…。
そう言えば…。
記憶がかなりおぼろげだから…随分小さい頃のことだと思うのだが…道風公園…というところへ連れて行って貰ったことがある…。
千年ほど前に…愛知県の春日井市に生誕したと言われる書道家…小野道風を記念した公園である。
藤原佐理…藤原行成…と並んで三蹟と称えられる書の神さまのような人である。
和様の書風を生み出したことでも知られている…。
何故…そこへ行くことになったのかはまるっきり覚えていないのだが…親父のことだから…別段これという理由はなかったのかもしれない…。
今では随分と立派で綺麗な公園になっているが…当時は…何ということもない見落としそうなほど小さな公園だった。
記念館が建てられたのが昭和の後期だから…公園が整備されたのもその頃か…。
ここがあの公園か…と見違えるほどだ…。
花札の絵にもなっている蛙と柳の伝説のせいか…公園には小さな池が作ってあった…。
その池の傍で…自分は生まれて初めてゴマダラカミキリを見つけたのだ…。
黒い身体に白い星…なんて綺麗な虫なんだろう…。
撓む釣竿のような触角…なんて素敵なんだろう…。
親父がそれを捕まえて…そのあたりに落ちていた木の葉を一枚手に取った。
木の葉をカミキリムシに近づけると…何とチョキチョキ切るではないか…。
まるで…オカンのチョキチョキバサミのようだ…。
面白いだろ…と言わんばかりに親父はニカニカ笑っていた…。
カミキリムシ…カッコいい…。
けど…噛み付かれたら痛いな…きっと…。
何度もチョキチョキさせてから…逃がしてやった…。
緑が減少し…昆虫たちが町の中から消えかかっていた頃で…自分の住んでいる町では最早…見ることのできない虫だった…。
あれからどれくらい時が経つのか…。
この町では時折…もう何年も前に忘れていたような虫を見かける…。
決していい環境とは言えないが…虫たちもそれなりに適応したんだろう…。
ああ…そうか…お隣に確か…蜜柑の木があったな…。
あのカミキリはそこから来たのかも知れない…。
町に残されたほんのちっぽけなオアシスを見つけて…ゴマダラくんも一生懸命生きているんだなぁ…。
がんばれ…昆虫たち…!
頑張って…欲しいんだ…けど…蜜柑荒らしの害虫そのままにしちゃって…お隣さんにはちょっとばかし…悪かったか…なぁ…?
ゴマダラカミキリだ…。
この虫は蜜柑などの木を食い荒らす害虫なのだが…ただの昆虫として眺めている分にはとても魅力的な虫だ…。
取り立てて珍しい虫というわけではなく…日本全国何処にでも居るらしいが…。
特に気に入っているのは…先の方ですっと弧を描く触角…そして星空のような模様である…。
何処から来たんだろう…。
うちにはこいつが気に入るような果樹系の木はないんだけどなぁ…。
捕まえても飼う気はないし…殺すのも可哀想だし…そのままにしておいた…。
子供に見せようかな…とも思ったが…この種のカミキリムシは前にも見たことがあるから…それほど喜ばないだろう…。
特に…虫嫌いの方は…。
そう言えば…。
記憶がかなりおぼろげだから…随分小さい頃のことだと思うのだが…道風公園…というところへ連れて行って貰ったことがある…。
千年ほど前に…愛知県の春日井市に生誕したと言われる書道家…小野道風を記念した公園である。
藤原佐理…藤原行成…と並んで三蹟と称えられる書の神さまのような人である。
和様の書風を生み出したことでも知られている…。
何故…そこへ行くことになったのかはまるっきり覚えていないのだが…親父のことだから…別段これという理由はなかったのかもしれない…。
今では随分と立派で綺麗な公園になっているが…当時は…何ということもない見落としそうなほど小さな公園だった。
記念館が建てられたのが昭和の後期だから…公園が整備されたのもその頃か…。
ここがあの公園か…と見違えるほどだ…。
花札の絵にもなっている蛙と柳の伝説のせいか…公園には小さな池が作ってあった…。
その池の傍で…自分は生まれて初めてゴマダラカミキリを見つけたのだ…。
黒い身体に白い星…なんて綺麗な虫なんだろう…。
撓む釣竿のような触角…なんて素敵なんだろう…。
親父がそれを捕まえて…そのあたりに落ちていた木の葉を一枚手に取った。
木の葉をカミキリムシに近づけると…何とチョキチョキ切るではないか…。
まるで…オカンのチョキチョキバサミのようだ…。
面白いだろ…と言わんばかりに親父はニカニカ笑っていた…。
カミキリムシ…カッコいい…。
けど…噛み付かれたら痛いな…きっと…。
何度もチョキチョキさせてから…逃がしてやった…。
緑が減少し…昆虫たちが町の中から消えかかっていた頃で…自分の住んでいる町では最早…見ることのできない虫だった…。
あれからどれくらい時が経つのか…。
この町では時折…もう何年も前に忘れていたような虫を見かける…。
決していい環境とは言えないが…虫たちもそれなりに適応したんだろう…。
ああ…そうか…お隣に確か…蜜柑の木があったな…。
あのカミキリはそこから来たのかも知れない…。
町に残されたほんのちっぽけなオアシスを見つけて…ゴマダラくんも一生懸命生きているんだなぁ…。
がんばれ…昆虫たち…!
頑張って…欲しいんだ…けど…蜜柑荒らしの害虫そのままにしちゃって…お隣さんにはちょっとばかし…悪かったか…なぁ…?
斜め向かいのおうちの庭に「イチジクの木」があって
毎年その木にくっついてるのを見つけます。
そして、以前は、保育園、今は、小学校に寄付して、クラスで飼育しています。
あとは、例の「カマキリ」が、うちの庭でも
かなり発見されます。春先の赤ちゃんカマキリは
本当にかわいいです。
虫が大好きな坊のことを思うと、カブトムシや
クワガタの捕れる田舎に住みたい気持ちはさらに強くなります。