祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 原発は国家ぐるみの粉飾決算

2015-03-04 23:21:31 | 原発事故


原発はコストが安いと嘘をつき、自民党と官僚がグルになって国民を騙し続けてきている。アメリカなどもコスト計算すると採算が取れないので新規の原発はもう存在しない。東京にある城南信用金庫理事長の吉原氏が、金融業の役割として社会的に受け入れられない事業に融資することは問題であると話しています。昔、第一勧業銀行の副頭取であった奈良氏が同じような事を話していたことを思い出しました。小さな事業でも社会のためになるのなら、それを育ているのが銀行の役割だと言っていました。どの業界に限らず、世の中にはまともな人間は必ずおりますね。アベシを担いでいる自民党にも、まともな議員がいれば良いけど、ちょっと無理でしょうかね・・・・・以下、ロイターニュースから転載します。





インタビュー:原発は国家ぐるみの粉飾決算=吉原・城南信金理事長
2014年 04月 18日 18:30 JST


[東京 18日 ロイター] -脱原発路線を強力に主張する異色の地域金融機関トップとして知られる城南信用金庫(本店・品川)の吉原毅理事長が、ロイターのインタビューに応じ、原発コストが安いというのは将来負担を無視した国家ぐるみの粉飾決算に近いとの見解を示した。

また、新エネルギーの開発が新しい経済の活力を生み出すとの持論を展開した。
東京・神奈川を地盤に信金業界2番手の総資産3兆6000億円を持つ同信金は、地銀中位行に匹敵する規模を誇る。そのトップとして、金融業とエネルギーの政策のかかわりあいに関し、どのような本音を持っているのか聞いた。


―金融機関のトップが、政治的発言をするのが極めてまれだ。

「金融は、政治にかかわるべきではなないという意見がある。それは本来、権力にかかわることで金融が求めるべき理想がねじ曲げられ、利用されてしまう懸念が生じるために生まれた考えだ」
「しかし、金融に限らず企業の目標は、より良い国や社会を構築することだ。すべての企業は、理想の実現のためにある。経営者は、金儲けだけ考えればいいというのはおかしいのではないか」


―国論を二分する1つの側に付くことで、顧客からの不評を買わないか。
「消費者のニーズに応えることが企業、つまり消費者主権という考えは間違えていないか。例えば当社は、投機のためのゴルフ会員権購入のための融資はお断りする。そういう資金使途には貸せない。健全性とは何かを考え、顧客にも説明していく。それが金融マンの役割だ」

「福島第1原子力発電所の事故で分かったことは、将来の世代に責任を持てないエネルギーということだ。もはや原発は反社会的存在だ。原発を造る金を貸せと言われたら、お断りする」


―電力債は、金融機関の運用手段としても重要だ。
「東電の株式と社債は、事故後に売却した。金融機関は公共的な存在だ。東電の株式や社債に投資をするわけにはいかない」


―経済界の中には、コストの安い原発を稼働しないと、日本経済が立ち行かないという意見が多い
「原発のコストの方が低いという人で、いやしくもビジネスマンや経済に携わる者ならば、会計の原則ぐらい勉強していただきたい。コスト計算には、直接原価と間接原価があり、そこで総合原価計算が行われる。原発は、今あるウランを使うだけならば直接原価は低い」

「では、その結果の間接原価はどうなのか。将来の廃炉費用や、使用済み核燃料の保管料や処理費用、工事費や人件費、地代がカウントされているのか。カウントされていない。われわれは今、時価会計で、将来に発生するキャッシュフローをすべて現在価値化し、負債計上している。原発にはそれが入っていない

「1回事故が発生したら、天文学的なコストがかかる。貸し倒れ引当金の積み立ての考え方を入れれば、とんでもない引き当てを積まなければならない。これは、不採算というのではないか。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だ」


――原発の再稼働ができなければ、値上げしなければならない。顧客の中小企業にとっても、それは経営上の困難になるのではないか
「まず、原発の将来に発生する未計上のコストをちゃんと計上しなければならない。その上で、原発を再稼働させたら、もっと値上げをしなければならない」

「新しい電力産業が勃興してくれば、新産業としてモノづくりの復活にもつながる。例えば、石炭ガス化コンバインド発電やソーラーパネル、さまざまサービスも増える。工事やモノづくりに携わるわれわれの顧客たちにも恩恵がある。原発の再稼働では、新産業は生まれない


――経常赤字を懸念する指摘もある
「燃料の輸入によって、貿易収支が悪化し、経常収支が赤字に陥るのは日本経済にとってマイナスだという指摘は、本当に正しいのか。経常収支が赤字でも成長している国はたくさんある。日本は、黒字を溜め込み、結果的に円高になり、デフレから抜け出せなかった。輸出入のインバランスは、為替で調整される」


――大手銀行は、福島第1原発の事故後に、東電に対して巨額融資を行った。どのように評価する
「第2の住専問題だという気がする。当時も、政府が保証するからとみんなが貸して、最後は損失となった。1980年代のバブル時も金融機関は公共性という考えを放棄し、その後、大きなツケを払わさられることになった。金融機関は、引き返す勇気を持つ必要があると思う」


――大手行は公共性を考えて貸しているのではないか。
「それは、公共性を勘違いしている。東京電力を生かすことが公共性ではない。安全でコストの安い電力サービスを継続的に安定的に保証することが公共性なのではないか。もっと見識を持たなければならない」

(インタビュアー:布施太郎 浦中大我)

(布施太郎 編集:田巻一彦)

・ 時代の正体 「イスラム国」は問う

2015-03-02 23:55:37 | イスラム国


イスラム国に殺害された後藤さんに対して、アメリカの大統領と日本のアベシの声明の大きな違いを指摘している記事があります。英経済紙「エコノミスト」特派員のディビット・マックニールさんが神奈川新聞に載せています。
あのテロ国家のアメリカでさえ、大統領は後藤さんの個人を思い、その家族に言葉をかけています。一方日本の首相は、全く個人には興味が無く、逆にそれを逆手にとって法律改正をしようと企んでいます。言葉では「国民の生命・安全の責任者は自分である」と言いながら、なんらその責任を果たそうとしない。屁理屈を付けて、「法律を変え同じことが起きた時、自衛隊を海外に派遣し助け出す」が責任を果たすことだと、頓珍漢な事を言っている。無責任も甚だしい上に論理性は全くない・・・・・以下転載します。



時代の正体 「イスラム国」は問う 議論も起こらず懸念
 英経済紙「エコノミスト」特派員 ディビッド・マックニールさん
カナロコ by 神奈川新聞 2月26日(木)12時14分配信


 政治家が持ち出す自己責任論、そして責任が問われない政治家-。英経済紙「エコノミスト」特派員、ディビッド・マックニールさんは、そうして肝心なことが論じられないこの国の先行きが心配でならない。過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件は、海外から向けられる奇異のまなざしをあらためて浮かび上がらせてもいる。

後藤健二さんが殺害された時、米ホワイトハウスは声明を発表し、オバマ大統領は「後藤健二さんは報道を通じ、勇気を持ってシリアの人々の窮状を世界に伝えようとした。われわれの心は後藤さんの家族や彼を愛する人々とともにある」と、ジャーナリストである彼をたたえました。

一方、安倍晋三首相は「テロに屈しない」「テロリストたちを決して許さない」とは言いましたが、後藤さんへの評価は一切口にしなかった。 このことは私たち外国特派員に「安倍首相は後藤さん自身のことは大して気に掛けていなかった」という印象を強く与えました。興味があったのは、殺害されたのが後藤さんだったということでも、危険を冒してでも中東で何が起きているのかを世界に伝えようとしたジャーナリストだったということでもない。「日本人だった」ということだったのです。

 安倍政権が憲法9条を改正し、戦後70年にわたって築き上げた平和国家を変えようとしているというのは、誰もが知るところです。殺害された後藤さんの映像が公開された翌日、安倍首相は自衛隊による在外邦人の救出に向けた法整備の必要性を主張しました。安倍政権は人質事件を根拠にして一連の政策を推し進めようとしているのだ、と私は思いました。

 事件後、日本では「自己責任」だとして、後藤さんと湯川遥菜さんを批判する声が上がりました。海外メディアにとっては理解し難い反応ですが、仮にそれが日本特有の考え方とするなら、なぜ、政治家の責任は追及されないのでしょう

安倍首相は「国民の命、安全を守るのは政府の責任。その最高責任者は私」と発言しています。政治家として事件をめぐっての対応は適切だったといえるのでしょうか
日本政府は、後藤さんが中東で拘束されている事実を知っていた。にもかかわらず、中東地域を歴訪して「イスラム国と戦う周辺各国を支援する」と演説し、総額2億ドルの人道支援を発表しました。イスラム国が2人の殺害を予告したのは、その直後です。 日本人が人質に取られている状況下で、支援を公に表明することが適切だったとは私には思えません。

自己責任論は政治家にとっては非常に有利に働きます。政治家自身は追及されることはなく、責任逃れができる。何をしようとも無罪放免というわけです。
■批判勢力なく
最も懸念しているのは、人質事件後、日本が今後、テロを含めた国際情勢にどう対処していくのか、議論がほとんど起こらないことです。なぜか。理由の一つに、メディアが機能していないことが挙げられます。
安倍首相や彼が影響力を持つ保守勢力は、右翼思想の人たちに多く支持されていますが、メディアにも同様のことが言えます。読売新聞や産経新聞、複数の週刊誌は右翼的な声に支配されており、議論を交わす状況を阻んでいるように見えます。

安倍政権がメディアに直接、圧力を与えたという証拠はありませんが、「右翼」や「ネット右翼」と呼ばれる人々が一般市民を威圧する空気を政権が自らつくり出しているように思うのです。

私自身、戦争犯罪や従軍慰安婦、南京大虐殺などの記事を書くと「ネット右翼」から強いバッシングがありますが、驚いたのはそのこと自体ではありません。
外務省には外国特派員らの担当者がいますが、昨年12月、担当者が各特派員らに「慰安婦のことを取材する際は、今まで取材してきた人ではなく、この学者を取材してください」と言ってきたのです。外務省が取材相手を勧めてくることなど、過去に例がないし、あり得ないことです。
 
安倍政権の支配力は強く、それに対抗できるだけの勢力も存在しない。いまや日本は右翼思想に包まれている。今回の事件で政府の責任を追及しない、議論が起こらないというのは、こういった問題が潜んでいるからだと思います。




■列強のリスク
安倍首相は日本を軍事的にも政治的にも世界規模の影響力を持つ「列強」にしようとしています。このまま突き進めば、憲法を改正し、有志連合に加わりテロとの戦いに自衛隊が派遣されることになるでしょう。その先にはどんな事態が待っているのでしょう。

米国と同盟関係にある英国はかつて「テロとの戦い」を推進しました。イラク戦争では国民の反対があったにもかかわらず、米国とともに武力行使に踏み切った。 しかし、武力行使の根拠となった大量破壊兵器はイラクに存在しなかった。そして2005年にはロンドン同時爆破事件が発生し、国民が犠牲になりました。

日本は英国のように米国と強い同盟関係にある国を目指しているのかもしれません。米国とともに歩んでいく道を進もうとしているのかもしれない。それは必ずリスクを伴います。
考えてみてください。そもそもなぜ、日本人がイスラム国に殺されなければならなかったのでしょう。私はアイルランド人ですが、アイルランド人は一人も殺害されていません。なぜなら、アイルランドは中東諸国のどこかの国や勢力に肩入れすることをせず、戦争にも参加していない。軍隊も送らず、シリアも攻撃していないからです。

中東諸国は日本を尊敬していました。先の大戦で国家を破壊されたが、自力で発展を遂げ、経済大国に上り詰めた。そういった日本に対して敬意を表す親日派は多かった。しかし、そのイメージも変わろうとしています

外務省はすでに海外渡航の制限をかけ始めています。今後、そうしたことが当たり前のようになるでしょう。日本のパスポートを持っているというだけで、テロの対象になり得るのです。
代償を支払わなければならないのは政治家ではなく国民なのです。私には日本人の妻との間に3歳の息子がいます。代償の支払いをさせられるのは私の子どもであり、あなたの子どもたちです。

政府が推し進めようとしている政策は、私たちの子どもたちが代償を支払ってでも果たすべきものなのでしょうか。今回の事件は、そういった重い課題を突きつけているのだと思います。

 ディビッド・マックニール アイルランド出身。ジャーナリスト、上智大講師。2000年に来日し、現在は英紙「エコノミスト」「インディペンデント」などに執筆。49歳。

・ アメリカ政府が発表したストロンチウムの汚染地図

2015-03-01 23:12:23 | 原発事故


毎週日曜日にホワイトフードさんが放射能の影響について発表しています。今回はアメリカが発表したストロンチウムの数字を日本地図に落とし込んで作成しています。ただ数字を並べられても分かりにくいのですが、地図に棒グラフを書いてくれるので、私たちにも一目瞭然ですね。
日本政府は、原発事故は無かったものにしたいがために、何が事実なのかを発表しません。海外の情報の方が確かですね。以下転載します。



アメリカ政府が発表したストロンチウムの汚染地図
2014.12.10

(1)アメリカ政府が発表したデータを基に、日本のストロンチウム汚染状況地図を作成いたしました

ストロンチウム

アメリカ政府が発表したストロンチウムの汚染地図


Sr90は多くの拠点で検出されておりますので、関東のところの数値だけ列記致します。

神奈川県
横須賀 15.83Bq/kg、平塚 10.62Bq/kg 相模原市 5.14Bq/kg
(相模原市を上野原市と表記しておりましたが、地名の間違いでございました。大変申し訳御座いません。)

千葉県
成田市A 18.60Bq/kg、成田市B 11.30Bq/kg、香取市 8.00Bq/kg

茨城県
龍ヶ崎市 4.45Bq/kg、神栖市  5.64Bq/kg

栃木県
小山市 7.02Bq/kg、栃木市 18.10Bq/kg、鹿沼市 3.03Bq/kg
日光市 5.2Bq/kg

群馬県 34.68B/kg

など、他多数ございました。


(2)ストロンチウムのリスク
ストロンチウムは骨に吸着すると、排出するのに5年間で25%しかでてこない。また、骨に吸着し、白血病の原因になると言われています。(注釈1)
ストロンチウム




(3)ストロンチウム検査の重要性
チェルノブイリ事故後に多くの被害者を出したベラルーシの学校給食では、放射性セシウムに加えて、ストロンチウムの検査もしております
同じくレベル7の原発事故を起こした日本においても、食品のストロンチウムの検査は大切であると考えております。(注釈2)



・ 暴走する特権階級の力の源泉「特別会計」

2015-03-01 00:04:53 | 政治


日本の予算は一般会計のものだけが話題になるが、もっと大きな金が動いているのが特別会計である。しかも特別会計は、国会で審査も承認も無しの上、官僚の一存で自由に采配が行われている。ここに官僚たちの利権の元があることになる。ブログ「日本を守るのに右も左もない」に特別会計について書かれていました。以下転載します。




2010年01月15日
暴走する特権階級の力の源泉「特別会計」

国家財政を巡って、いよいよ特別会計にスポットが当たり始めた。
亀井静香金融大臣のなどの発言
「財源をどうやって作るかについては、前から総理にも言っているが、特別会計に思い切って切り込んでいくべきだ。20兆、30兆はすぐ出る。今の特別会計は役人が抱え込んで、彼らの小遣いになっている。ただ、各省の大臣にやれといってもダメだから、仙石(行政刷新担当相)あたりにやらせろと言っている」
また、高橋洋一氏による以下の発言。
民主党が独立行政法人・特殊法人を全廃すれば国の借金は300か400兆円減る
国家財政、国家予算を巡って、これほど議論の的になる「特別会計」。これは一体何なのか?何が問題なのか?

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■特別会計とは、何か? どうして出来たのか?
日本が近代国家として出発した明治初期には、「一般会計」しか存在しなかった。国家や地方公共団体における歳入・歳出を示す会計は、単一の会計で経理することが原則となっており、その原則に則ったものだった。
「一般会計」は、所得税や消費税などで国民の公的な社会サービスに充てられる。一方、「特別会計」は目的税という名目で、「受益と負担の対応関係」のもと予算は組まれる。
日清戦争時、「臨時軍事費特別会計」という特別会計が初めて登場し、日露戦争にも同様の特別会計が組まれる。
この当時、国の発展に必要な「国家事業」に対する予算として「特別会計」は組まれていた。初期投資こそ、公債や一般会計からの繰り入れを財源としていたが、長期的な採算管理(初期財源・公債→収益・賠償金⇒採算がとれる)により、最終的にはその資金運用は特別会計内で完結したものであった。
戦後の日本は、公債の日銀引受などからハイパーインフレに見舞われる。そこで昭和24年にGHQの指導の下、インフレ対策として1ドル=360円の固定相場制が引かれる(ドッジ・ライン)。
同時に「日米貿易の安定」の名目から、「外国為替資金特別会計」が予算化される。この頃から、日本はドルを買い続けることとなる
また、均衡予算原則がとられていた一般会計に加えて、特別会計や政府関係機関での収支の均衡も調整された。それまで多額の国債がつぎ込まれた「臨時軍事費特別会計」を始めとする陸軍関連、朝鮮・台湾などの国外開発出資関連の特別会計は軒並み廃止。それにかわって、産業支援関連(開拓者資金融通・国有林野事業など)、解脱産業促進(アルコール専売事業・国営競馬など)の歳入重視の特別会計が次々と組まれていった
その後、朝鮮特需→高度経済成長期を経て復興を果たした日本であったが、1965年からいわゆる「40年不況」に陥る。歳入の補填をし景気を下支えする必要から国債発行が検討されたが、政府は国債を注ぎ込む範囲を絞るために、公共事業に行なうための特定の特別会計において「建設国債」というかたちで公債発行を繰り返した。


■現在の特別会計は?
独自財源

【一般会計の歳入】は、公債費:33.3兆円、税収:46.1兆円、その他: 4.6兆円⇒合計:88.5兆円
この88.5兆円のうち、直接支出に回されるのは、41.7兆円で、残りの大半50.6兆円は特別会計に繰り入れられる(一般会計を通して、特別会計に流れていく)。
【特別会計の歳入】は、上記の一般会計からくる50.6兆円のほかに、保険料・手数料など:99.1兆円、公債金・借り入れ:128.8兆円などで歳入総額:370.9兆円に上る。そのうち歳出総額は354.9兆円
一般会計以上に特別会計のほうが、国家の主要な会計と言えるほど、大きく膨らんでいる(この構造は戦前から変わらない)。
特別会計の現状が、正確に把握できているかというとかなりアヤシイ。なぜなら、”事業ごと”という名目で作られている特別会計だが、相互に金のやり取りをしているため、それが複雑に絡み合っており、どれくらいの金が(年度を越えて)どうやってやり取りされているかがハッキリしないからだ


■特別会計の何が問題か?
1.内情がほとんど分からない
2.膨大な埋蔵金が存在する?
3.各省庁の独断で決定できる
4.アメリカを買い支えている
5.暴走する特権階級の力の源泉
特別会計の金をどのように使ったかは、明確に公開されていない。国会でも審議されるようだが、複雑な特別会計まではチェックできない


永田町異聞:官僚王国の迷宮「特別会計」(1)
特会の資金を具体的ににどう使ったかは国民に分かるような形で公開されていない。国会議員は一般会計にばかり気を取られ、分かりにくい特別会計のチェックまで目が行き届かなかった。国会で議員が見る膨大な予算資料は、おおざっぱな「項」という予算区分が記されたものに過ぎない。

一般会計では、「次年度への繰越」はわずかだが、特別会計では次年度へと繰り越される金が結構ある。この内部留保が溜まりいわゆる「埋蔵金」が存在すると言われている。


永田町異聞:官僚王国の迷宮「特別会計」(2)
とにかく一般会計は335兆円の債務超過なのに、一方の特別会計は100兆円の資産超過、すなわち資産から負債を引いて100兆円残るほどの金持ちなのである。常識からいって、ここに埋蔵金が眠っていると見るのが自然だ。

亀井大臣が「特別会計に切り込めば、20兆30兆はすぐに出てくる」と言った根拠はここにある。そもそも現在でも特別会計が生き残り、統合し数を減らすくらいしか改革が進んでいないのは、各省庁官僚の力の源泉である「金」の出所が特別会計だからだ。官僚利権の省庁とも言える。だから、各省庁の予算に口を出す財務省も、ここだけは見過ごしてきた。


誰にも止められぬ暴走列車「公共事業」のメカニズム ~肥大化を許す三つのメカニズム~
ムダづかいだけではなく、埋蔵金論争でもクローズアップされたように、カネをしっかりと貯め込んでいるケースも少なくない。にもかかわらず、各省庁の予算には口うるさい財務省主計局もここだけは見過ごしてきた。 
 それはなぜか。多くの関係者が口を揃えるのは「特会は省庁の財布であり、財務省といえども手を突っ込むことはできなかったからだ」。別の関係者は、「財務省もここに自分の財布がある。厳しくやるとやぶへびになる」と指摘する。
 現時点では特会は21あり、その下の勘定ごとに、所管省庁の政策と結び付き、侵されざる“聖域”を築いている。

数ある特別会計でも、たびたび問題視されるのが、「外国為替特別会計」だ。


特別会計ってなに?(3)~米国債を買うための会計
為替相場の急激な乱高下が生じ、取引ができない事態が起こりうる。このような場合に対応して、通貨当局(日本で言えば「日本銀行」)が市場に介入して外貨の過不足を調整し、相場変動をなだらかにする必要がある(外国為替平衡操作)が、そのための外貨の出し入れを行うのが、この会計だ。また、政府の保有する外国為替等の管理・運営や、国際通貨基金(IMF)に対する出資やIMF関係の取引もこの会計を通じて行われている。

為替準備高

日本政府が問題にする「為替相場の乱高下」とは、「円高・ドル安」を指し、この是正を目的に為替介入が行われる。
つまり、「円を売り、ドルを買う」ための資金が必要となる。この金はどこから来るのか?政府短期証券による借入金が、財源のほどんどとなっている
つまり、日本政府は国民から借金をして、円を売りドルを買って「円安・ドル高」への誘導してきた。輸出企業にとっては、円高は悪。だから、日本の輸出系大企業を助けるという名目で、為替相場をコントロールしてきた。
こうして蓄積された「ドル紙幣」だが、そのままでは(借金によって資金を調達しているので)赤字が更に膨らむ。だから、手に入れたドルをもって、米国債を買い増してきた。外為特会を通した為替介入によって蓄積されたのが「外貨準備高(約1兆ドル)」で、その資金の多くが米国債となっている。
政府が行う為替介入では、円売りドル買いしか発生しない。つまり売られることの無い資産返しようがない借金が膨らんでいることになる。
特に小泉政権時(2001年~2006年)には、外貨準備高が急激に増え、同時に米国債保有残高も増加した。2001年~2006年といえばWTC同時多発テロが起こり、アフガン侵攻、続いてイラク侵攻と、アメリカ政府は戦争による多額の赤字が発生し、「どこから金を借りるか」が喫緊の課題となっていた時期だった。
つまり、日本政府は間接的にアメリカの戦争を支援したことになる。
政治家、官僚の属米・従米路線を支えてきた源泉が、この特別会計だったことが分かる。
特権階級の暴走を実質的に可能にしてきたのが特別会計だった。この問題を放置すればするほど、特権階級の暴走は止まらない
(ないとう)