コロンブスが1492年に「発見」した最初の新大陸の島は
サン・サルバドル島と言われる。
「聖なる救世主」と名付けられた島。
まさにこの名前こそが、コロンブスの「偉業」の傲慢さを体現している。
なにが救世主か。
そこに既に住んでいた人々からすれば、
結局コロンブスは虐殺者・侵略者の尖兵でしかなかった。
著者は、そんな1492年にスポットライトをあてる。
その年こそまさに、ヨーロッパが自分中心の世界観を世界に流布させるターニングポイントだったのだ。
新大陸「発見」だけではない。
スペインのイスラム勢力が一掃され、
同時にスペインのユダヤ人も追放された。
ここに、純粋なるキリスト世界というものが作りだされる。
さらには、新たなる大陸において純粋なキリスト教徒を製造する実験が始まる。
虐殺虐待差別と奴隷化。そんな実態を鋭意推進しながら。
1492年を中心とした前後の出来事を、
編年体で淡々とした筆致で描いていく本書。
その「淡々」が、恐ろしくそして重い。
俺が長年抱いていた疑問の一つ。
中南米で天文学的な数量の金銀を手に入れたはずのスペインが、
どうして没落したのか。
どうして英国たりえなかったのか。
その答えが、本書にははっきり書いてあった。
金銀を運用し利益を上げる後背地が無い。商人がいない。
ユダヤ人の追放やらなんやらで「仲買人、貯蓄家、改革者」が寄り付かない。
そこに居るのは浪費家で、
結局その一時的な富がスペインの競争力や意欲を潰してしまった、と。
なるほどな。
しかしそれがほんとなら、
ほんの一瞬の刹那的な浪費のために
あまりに多くの資源が略奪され、
それにもまして多くの先住民が酷使され殺され。
納得いくか?普通。
ヨーロッパ人は500年前、
取り返しのつかない大きな罪を犯した。仮にもキリストの名のもとで。
当時の価値観なら仕方がない、と言えるか?俺は赦すことが出来ない。
20世紀に起きた数多くの戦争犯罪。ナチス、皇国日本。。
特に敗者が起こしたそれらの残虐行為は、
半世紀以上たった今でもまさに「謝罪と賠償」という責めを負う話だ。
だが待てよ。
それはそれで責められて仕方が無いかも知れんが、
それなら500年前の(しかもそれ以来脈々と今まで継続する)大犯罪は
いったい誰が断罪するのか。起訴するのか。罰するのか。
抹殺されてしまった声なき民族?
それだけではいけない。彼らだけに任せていいことではない。
現代に生き、
欧米の文化や価値観にどっぷりつかって繁栄を享受している我々こそ、
絶対に忘れてはいけないのだ。
今の世界の繁栄、特に北半球の覇権は、
悲しいほど数多くの犠牲の上に成り立っている楼閣なのだから。
世界史の授業では絶対教えてくれないこと。受験でも使えないぞ。
追伸
だから、俺は宗教って基本的に大嫌い。どの宗派であれ。
神の名のもとに汚してきた血まみれの手を見よ。
サン・サルバドル島と言われる。
「聖なる救世主」と名付けられた島。
まさにこの名前こそが、コロンブスの「偉業」の傲慢さを体現している。
なにが救世主か。
そこに既に住んでいた人々からすれば、
結局コロンブスは虐殺者・侵略者の尖兵でしかなかった。
1492 西欧文明の世界支配 (ちくま学芸文庫)ジャック アタリ筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
著者は、そんな1492年にスポットライトをあてる。
その年こそまさに、ヨーロッパが自分中心の世界観を世界に流布させるターニングポイントだったのだ。
新大陸「発見」だけではない。
スペインのイスラム勢力が一掃され、
同時にスペインのユダヤ人も追放された。
ここに、純粋なるキリスト世界というものが作りだされる。
さらには、新たなる大陸において純粋なキリスト教徒を製造する実験が始まる。
虐殺虐待差別と奴隷化。そんな実態を鋭意推進しながら。
1492年を中心とした前後の出来事を、
編年体で淡々とした筆致で描いていく本書。
その「淡々」が、恐ろしくそして重い。
俺が長年抱いていた疑問の一つ。
中南米で天文学的な数量の金銀を手に入れたはずのスペインが、
どうして没落したのか。
どうして英国たりえなかったのか。
その答えが、本書にははっきり書いてあった。
金銀を運用し利益を上げる後背地が無い。商人がいない。
ユダヤ人の追放やらなんやらで「仲買人、貯蓄家、改革者」が寄り付かない。
そこに居るのは浪費家で、
結局その一時的な富がスペインの競争力や意欲を潰してしまった、と。
なるほどな。
しかしそれがほんとなら、
ほんの一瞬の刹那的な浪費のために
あまりに多くの資源が略奪され、
それにもまして多くの先住民が酷使され殺され。
納得いくか?普通。
ヨーロッパ人は500年前、
取り返しのつかない大きな罪を犯した。仮にもキリストの名のもとで。
当時の価値観なら仕方がない、と言えるか?俺は赦すことが出来ない。
20世紀に起きた数多くの戦争犯罪。ナチス、皇国日本。。
特に敗者が起こしたそれらの残虐行為は、
半世紀以上たった今でもまさに「謝罪と賠償」という責めを負う話だ。
だが待てよ。
それはそれで責められて仕方が無いかも知れんが、
それなら500年前の(しかもそれ以来脈々と今まで継続する)大犯罪は
いったい誰が断罪するのか。起訴するのか。罰するのか。
抹殺されてしまった声なき民族?
それだけではいけない。彼らだけに任せていいことではない。
現代に生き、
欧米の文化や価値観にどっぷりつかって繁栄を享受している我々こそ、
絶対に忘れてはいけないのだ。
今の世界の繁栄、特に北半球の覇権は、
悲しいほど数多くの犠牲の上に成り立っている楼閣なのだから。
世界史の授業では絶対教えてくれないこと。受験でも使えないぞ。
追伸
だから、俺は宗教って基本的に大嫌い。どの宗派であれ。
神の名のもとに汚してきた血まみれの手を見よ。
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