不惑の50代

2023年04月10日 18時49分02秒 | 巻二 起居注
正解なんて一つではないんだよなあ、という話。


とある苦情の電話を係長が長々と受けている。
原因は当方(係長の部下)。
本来、謝るしかない案件。


詳しい経緯は省くが、何度かのやり取り。
私も一度電話を代わった。

しかし、原因は当方とは言え、相手の主張は多少度を超えており尋常ではない。

そして係長の奮闘の結果、相手の要求は一点に絞られた。
最初の原因を作った担当者からの直接の謝罪が欲しいと。

どうしましょう、と係長から相談された。

この手の話、普段の私の判断基準だと即断で却下である。


部下の不手際は上司の責任。
この場合だと係長が最後まで受けるべき。
ここまでエスカレートした相手に対し、担当を前面に出すべきではない。
そんなこといちいちやってられない。

そう考え、係長に対し自分で最後まで対応するよう指示。

ところがまあ、相手も粘る。

なんとしても担当者からの謝罪を貰いたい。
いや、こうも言い出した。
すなはち、担当者が謝罪する意思があるか、担当者自身に確認してくれ。
謝罪するつもりがないならそれで仕方ない。


??

新しいパターンである。

謝罪するつもりが無いわけでは無いが、ここで易々と担当者を押し出したくない。
結局今度は担当者が粘着され責め立てられることは明白。

うーん。


相手と何度もやり取りしている係長に思わず投げかける。
どうする家康?

係長曰く、
担当者からまずは謝罪させ、長引くようだったら自分(係長)が引き取ると。


こういう場合、最も相手の間合いを分かっている人間に従うのが上策だろう。


結局。
担当者からの直接の謝罪を、相手は呆気なく受け入れ。
長時間すまなかったな、という謎の労いが係長に対し発せられた。

即座に事案対応完了。



え、
そうなの。

担当者からの謝罪を頑なに拒んだ私の判断が、結果的に間違っていたのか。
引き延ばしたのは私か。結果的に。


いやあ、、

わからんものだね。

日々、経験値を積み上げていく。
五十にして惑わず。

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