1980年頃のお話。
時折、近所の神社の広間で、地域の人々向けの映画上映という催しがあった。
主催は自治体だったのか町内会だったのかこども会だったのか、確かいろいろなパターンがあったかに思う。
自分の父親も映写係をしていたことがあった。
少なくとも、無料であったような記憶。でもそこもあまり自信がない。
そこで観たいろいろな映画、ほぼ全て忘れてしまっているが、唯一鮮烈な記憶な残っている作品がある。
舞台は大阪万博の時代。
九州から北海道へ、移住することになった一家。
後で知ったが、こういうのをロードムービーと言うのだそうだ。
旅の途中、お爺さんが亡くなる。
そのお爺さんは、笠智衆さんだったと思う。
タイトルは、覚えていなかった。
淡々としたモノクロの画面が印象的。
それから何十年間、その映画の記憶はいつまでも頭の片隅に残っていて。
で、四十代になってからだろうか、ネットで上記のようなキーワードを元に検索していたら、作品名に簡単に行き着いた。
山田洋次監督の、「家族」。1970年の作品。
有名な名作だったのだ。
モノクロってのは記憶違いなのかな。
小学生当時は、山田洋次監督の名前なんて一切知らなかったし、全く予備知識なしで観た結果、強烈な印象を残しているんだから、それこそ名監督の名作である所以なのだろう。
今でも、日常で1970年頃というワードを目にするたびに、脳裏に浮かぶイメージはこの映画の一場面。自動車が行き交う真っ直ぐな道路が、工業地帯の真ん中を貫いている風景。
あ、その風景も記憶に自信はないけれども。
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