稀にみる熱演に触れることが出来たのかも知れない。
マーラーの1番、元々が演奏効果抜群な曲ではあるけれど、今日は指揮者の棒によってオケがスイングしてたよね。錯覚じゃなければ。
広上淳一さんの指揮は、狭い指揮台の上で足元が大丈夫かと心配になるくらい縦横無尽にステップを踏み、踊っていた。
あ、これって指揮者として伝えられるマーラー像そのままでは?っていうね。
その他の感想。
第1楽章って組み立てが難しい音楽なのではないのかな、ということ。
いろんな要素が断片的に発生しては絡みつき、まさに自然の胎動、目覚め。
下手をするとなにやらグネグネしているだけで、大きな流れとして最後のピークまで持って行くのは大変そう。もちろん素人の所感に過ぎないけれど。
シベリウスの2番第2楽章に通ずるものがあったり、なんてね。
第3楽章。
そもそもマーラーの交響曲の多くは歌曲との関連が認められるとされているのだが、この第3楽章はまさに歌曲そのものというか、旋律にそのまま歌詞をつけてみたくなるね。
これも普段録音を聴き流しているだけではなかなか気がつかないのかも知れない。
ここには確かに歌がある。
フィナーレへの繋ぎはアタッカじゃなかった。
ここはアタッカが好みだな。
フィナーレはもう一気呵成に演じ上げた感じ。
要所要所で外連味ある解釈が見られたけれど、全然嫌味さを感じなかった。
これぞマーラー。マーラーはこうじゃなくちゃ、という自分の中の思い込みを十分に満足させて頂けた。
ツインのティンパニも、ホルンのスタンディングも、これこれ、これこそマーラー。聴いて楽しみ観て楽しむというマーラー聴きの真髄。
自分でもなんのこったかわからないけど。
いやー、ここ最近の演奏会体験ではベストな満足感と幸福感でした。
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