第一種衛生管理者試験 3

2024年08月19日 08時19分00秒 | 巻二 起居注
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第一種衛生管理者試験 2 - イマドコ?いまここ。

↓前回。第一種衛生管理者試験1-イマドコ?いまここ。1衛生管理者を目指すまでここまでの人生を振り返るに、私は「受験勉強」が嫌ではなかったな、と思う。「受...

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3 こじつけ、リズム、映像

衛生管理者の試験については、年に2回、実際の出題問題が公表されているらしい。その公表問題から抜粋されたのがこの問題集のようだ。




テキストを文字通り眺めるだけよりは、確かに身が入る気がする。気がするのだが、やはり全く見慣れない単語に相まみえることに変わりはない。問題集1週目は、知識を蓄えるというよりは「ああこういう問題が出るのだな」「このあたりが出題者の癖なんだな」みたいなリサーチに終始するようなものだ。


実は、こうした出題側の癖を把握することで、専門知識を100%備えていなくても、ある程度カバーできる場合がある。これはあくまで例えばの話だが、選択肢の文中に「必ず」という文言があれば怪しいと思えみたいな、運転免許の試験にも通ずるような引っ掛けを見抜く小手先テクニックである。

こうしたテクニックめいた手法は、物事の本質をちゃんと捉えることと相反することが多い。つまり、衛生管理者の道を究めるのなら、出来れば専門講師に付いてテキストをもとに体系的な勉強をするべきであり、一方、単に資格を取得することが目的と割り切るなら、如何に高得点を挙げるかに注力するべきなのだ。後者こそまさに、私がその昔ハマっていた受験マニアの道である。


問題集1周目、およそ600ページをまずひとさらい。ほとんど訳が分からない。有害物質とその影響(症状)など、見事なまでに初見。なにこれ?

一方、多少は馴染みがある問題も少しはあった。

たとえば、身体の臓器や機能の話は、高校(だっけか?)の生物の授業などを思い出す。右心房だの右心室だの、そう言えば必死に覚えたっけ。送り出す側が心室(寝室)と覚えたことが蘇る。

タンパク質はアミノ酸という関係も、受験勉強知識の片鱗としてまだ頭に残っていた。

さらに、昨年度まで自分の担当範囲だった健康診断、メタボのあたりは馴染みがある。少しでも自力で解ける問題があると嬉しいものだ。


1周目で、ポイントと思われる部分にマーカーを引き、付箋を貼る。そして、必要に応じ自分なりのメモや覚え方を雑に書き込んでいく。

こういた詰込み型の勉強をする際の自分のスタイルがいくつかある。


まず、こじつけ型。もしくは連想型。

なんでもいい。さっきの心臓の機能のように、たとえば心臓の図で下のほうに描かれる部分は、奥にあるので寝室、つまり心室、という感じにインプットする。

他には、血液中のグロブリン。グロブリン→グローブ→守備→守る→抗体というような覚え方をした。これを押さえておけば、たとえばグロブリンと並べて出題される傾向があるアルブミンについては、グロブリン「じゃないほう」、だから「抗体じゃなく浸透圧の維持のほう」という覚え方で押さえることができるのだ。


続いて、リズム型。これは自分の得意な方法だ。

たとえば、製造許可物質。

ジクロルベンジジン、アルフア-ナフチルアミン、塩素化ビフエニル、オルト−トリジン、ジアニシジン、ベリリウム、ベンゾトリクロリド、、、

これ、もう覚えるしかない単語の羅列なのだが、どれ一つとして聞いたこともない呪文のようなもの。

これらはこうやって覚えた。頭文字を取って、「ジア塩オジベベン」。ここに意味なんてない。ひたすら「ジア塩オジベベン」「ジア塩オジベベン」とお経のように唱えて体に染み込ませる。

この方法だと、オルト-トリジンとオルト-トルイジンの区別は出来ないが、それはまた別の話。それはそれで別途無理やり叩き込む。

このリズム型、高校の時によく使った。今でも覚えているのが、春秋五覇と戦国の七雄。それぞれ、「せいしん・ごーえつ・そっ」、「せいそしんえん・かんぎちょうっ」と機械的に何度も唱え、リズム諸共叩き込んだ。おかげで今でも完璧に覚えている。


三つめは、映像型。

これは、文字面を映像として頭にインプットするもの。文字と言うか、文字を含むそのページであり、筆跡やペンの色、文字の配置も大事な要素だ。

今回の試験で言えば、スチレンの代謝物が馬尿酸かマンデル酸かなんてわかりようがない。なので、かの問題集の余白に青色ペンで雑に「スチレン マンデル酸」と殴り書き。しかも同じ語句を上下並べてふたつ。

この部分を、写真のシャッターを切るかのように頭に焼き付ける。気が済むまで何度でも。スチレンと言えば自然にマンデル酸と口に出るまで

これもさっきのグロブリンと同じで、スチレンさえ覚えておけばトルエンの馬尿酸、キシレンのメチル馬尿酸は「じゃないほう」として何とかなる。

それじゃトルエンとキシレンの区別がつかないのではと思われるが、ここはもう感覚というか、「トルエンはキシレンより目立つ(メイン)だからメチルなどと言う飾りは付かない」というように、全く意味のない脳内ストーリーで無理やり覚える。これはもう連想でも語呂合わせでもない。




もう一つの例は局所排気装置。カバー型だのドラフトチェンバだの、建築型、スロット型、キャノピー型だの。

これも、問題集の該当ページをそのまま映像として脳内に焼き付けた。掲載順が吸引効果順でもあるので、ひっくるめて覚える。グローブボックスなんて腕を差し込んでいるイラストを描いて印象付ける。




上記三つの手法のほか、あとはだいたいオーソドックスに反復反復で記憶していく。

実のところ、40歳を超えたころから自分の記憶力が明らかに減衰していることを実感しており、若いころのように膨大な受験知識を短期間のうちに詰め込むことができるか不安ではあったのだが、まだまだ自分は大丈夫なようだ。そんな手ごたえを感じつつ、やっぱり私は昔のように受験勉強を楽しんでいることに気づく。




続く

第一種衛生管理者試験 4 - イマドコ?いまここ。

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