佐藤賢一「カペー朝―フランス王朝史1」

2009年08月08日 00時36分23秒 | 巻十六 読書感想
カペー、とは、「合羽(かっぱ)」と同源らしいのだ。
いやあ、勉強なるわ。ほんと。

カペー朝―フランス王朝史1 (講談社現代新書)
佐藤賢一
講談社

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中世ヨーロッパ史というのは、なんとも厄介である。
それは、ルイとかフィリップとかカールとかが沢山登場するからだけではない。
そもそも、今のドイツとフランスとイタリアは一つの国だったと習ったつもりだ。
いわゆる、カール大帝の国。ゲルマン系の王朝だよね。
それがどうして、全然別の道を歩み、
ましてや全く違う言語を喋る国々に分化していったのか。
フランスとフランクはどう違うのか。
概略本の類をいくら読んでもようわからんかった。

この「カペー朝」も、はっきり言ってる訳ではないが、
それでも「はじめに」を読んだだけでさっそく膝を打つ。
すなはち、東フランクも中央フランクも「フランク王国であることを早々にやめていた」、と。
うーん。少々ま遠まわし表現ながら、今までにない「なるほど」、である。
西フランクに限っては、それを「フランス」として再生させた動きがあった。
それが、要はカペー朝の業績であろうか。

文章は非常に読みやすい。
誰とは言わんが、ワザとかというような難解な作文してくれる学者もいるからね。
新書のくせにさ。

教訓は、後継ぎが大事、ってことでFA?
これって古今東西全ての王朝帝国に通ずる真理だろな。
我が皇国も勿論さ。

佐藤センセ、よく見たら学科的先輩じゃないですか。。

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