岡田暁生・片山杜秀「ごまかさないクラシック音楽」

2023年09月18日 20時38分00秒 | 巻十六 読書感想
なぜハイドンは音楽の父なのか?
ベートーヴェンの偉大さはどこから来るのか?

そんな、解ってるようで解らないテーマを二人語り。

『ごまかさないクラシック音楽 (新潮選書)』岡田 暁生,片山 杜秀 #読書メーター https://bookmeter.com/books/21081604

本書の帯に「最強の入門書」と謳っているが、これは全く正しくないだろう。


クラシック音楽をこれから知ろうとする方がこの本を読むと、かなり偏った知識や考え方を身に着けてしまうかも知れない。
もちろんそれでいいならそれもいいのだけれど、これ、入門書なのか?


このお二人、非常に濃いというか独特の趣味嗜好の持ち主なので、彼らの放談会は確かに面白い。 

ブルックナーが笑えるほど粗末に扱われていたり、戦後の現代音楽の話に極端に紙幅を割いていたり、その偏向ぶりは全く嫌いじゃない(寧ろ楽しい)のだが、一般向けとは言えないだろう。


いずれにしても、音楽とは当然ながら時代とともに生まれ歩むものなのだ。
それはクラシック音楽たろうがポップスだろうが変わらない。
時代を映す鏡。

それが実感できただけでも本書を読む価値がある。

印象に残ったのは、マーラーの話。
マーラーは「終われない症候群」。
あまりに複雑化した時代において、2時間にも満たない交響曲では語り尽くせないものが多すぎる。そして破綻していく。
マーラーの破綻芸!
なるほど。面白い。



しっかしブルックナーに冷たいなー

ショスタコーヴィチへの偏った愛(やたらと交響曲第11番を推す)もなー
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 垣根涼介「極楽征夷大将軍」 | トップ | 信長の野望・新生PK 夢幻上級足利尊氏1 1582年鞆の浦に... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿