季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

東ドイツ

2017年11月25日 | 音楽
ライプツィヒのゲヴァントハウスオーケストラが来日しているのだそうだ。

このオーケストラを聴いたのはもう何十年も前になってしまった。確か初来日ではなかったか。指揮はクルト・マズアだったように記憶している。

感心しなかったので曖昧な記憶しかないのである。

今回はブロムシュテットが指揮するそうだ。この指揮者は覚えている。ドレスデン歌劇場管弦楽団と共に(これまた40余年前に)来日した。

このオーケストラの響きには驚かされた。シンバル奏者の力量に心奪われたのもこの時だ。

ブロムシュテットといえば取り立てて特徴のない、不器用な印象だけがあり、それがかえってオーケストラの昔からの響きを保持するにあたってプラスに働いたのではあるまいか、という感想を当時持った。

ドイツ時代にドレスデンを訪れこのオーケストラを聴いた時もブロムシュテットだった。

僕が思い出して書きたかったのは実はここまで書いたことではなかった。ドレスデンでの演奏会場についてである。

ゼンパーオペラの再興もなされない時分で、オーケストラは味も素っ気もないホールを本拠にしていた。

よく共産国家の党大会で横に広い無味乾燥なホールが写りますね、あんなホール。

入場した時の失望感は小さくなかった。

ところがここの音響が大層良いのである。この意外さを今でも思い出す。ホールは前述したように普段は党大会に使用されたらピッタリの殺風景を絵に描いたような代物だった。

旧東ドイツからのオーケストラの来日と聞いて35年ほど昔のことを思い出した。

ドレスデンやマイセンの思い出はまた改めて書こう。