東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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摂食嚥下評価・指導入院

2024年10月21日 | 紹介
今年の夏は暑かったですね。やっと暑さが和らいだと思ったらいきなり秋の到来!
先日、病院の敷地内に自生している立派な栗が爆ぜて道に落ちているのを見て、急に思い立ち、栗を買い込んで初めてモンブランを作ってみました。栗の皮を剥くのはとても大変でしたし、お店で並んでいる素敵なモンブランとも程遠い出来栄えでしたが、家族からは栗の味がすごくして美味しい!とまずまず好評でした。

ところで、モンブランの上部の栗ペーストは、摂食嚥下障害のある人にも食べやすい「ペースト食」です。日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021(以下、学会分類2021)のコード 2―1 に当たります。学会ではコード2―1の食形態について、「スプーンですくって、口腔内の簡単な動作(動き)により適切な食塊にまとめられるもので、送り込む際に多少意識して口蓋に舌を押しつける必要があるもの」、「なめらかで均質なもの」で、「対象者としては、咀嚼能力としては不要でも、口に入れたものを広げずに送り込むような能力をある程度有し、若干の付着性の幅に対応可能な嚥下機能を有する人を想定している」。「調整方法としては,食品をミキサーにかけてなめらかにし、かつ、凝集性を付加したようなもので」、「スプーンですくって食べるようなものを想定している」と定義しています。まさに、モンブランの栗ペーストです!

この写真は、当院のペースト食(学会分類2021のコード2-1)の昼食です。この日のメニューは、粥ミキサー、ロース煮豚、さつま芋煮、青梗菜のコンソメ煮でした。当院では、軟菜食をミキサーで撹拌して裏ごし、更に粘性を調整したものを提供しています。患者さんによると、当院の食事は味がしっかりついていて、結構美味しいそうです。
学会分類2021のコードは、各施設で患者さんの摂食嚥下機能を評価する際の客観的な数値として用いたり、病院や施設には各施設独自の嚥下食や介護食の名称があるため、転院や退院する際の施設間の共通用語として使用されたりしています。

嚥下ドットコムhttps://www.engesyoku.com/date/data01.html

摂食嚥下障害は、加齢、脳卒中、神経・筋疾患、癌、呼吸器疾患、小児領域の疾患など、あらゆる原因で生じます。入院中は病状に応じた病院食が提供されていますが、退院後、時間が経過して、徐々に噛みづらくなったりむせることが増えたりして、食が細くなってくる場合があります。当院のリハビリテーション科では、現在食べている食事や食べ方が体の状態に適しているかを評価し、適した食形態や姿勢などを指導させていただく約2週間の「摂食嚥下評価・指導入院」を行っています。
入院中はリハビリテーション科医師が主治医となり、言語聴覚士と共に嚥下障害の専門的な画像診断の一つである嚥下造影検査を行った上で方針を立てて訓練や指導を行います。また、理学療法士、作業療法士、看護師、管理栄養士なども介入し、必要に応じその他検査も行い、多方面から評価を行った上で、患者さんやご家族、施設職員の方へ食事やリハビリテーションの提案をしております。食事や飲み込みにお困りの場合は、当院医療福祉相談室へご相談ください。(当院代表電話048-768-1161)


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