東埼玉病院リハビリテーション科です。
本日は褥瘡予防のベッドギャッチアップについてブログを書かせていただきました。
褥瘡(床ずれ)は骨の突出部に発生しやすく、特に仙骨部に好発しやすいといわれています。仰向けで寝ているときには身体の重さが仙骨部に最もかかりやすく、全体の44%程の割合を占めています(褥瘡予防 治療ガイドラインより)。かなりの重さがかかっていますね。 褥瘡の発生要因ですが、全身的要因、局所的要因、社会的要因など様々な要因が重なって褥瘡の発生に繋がります。中でも、大きな要因の1つになり得るのがズレです。
何らかの理由でズレが生じると、骨はその場に留まろうとし、表皮はズレ力に伴い引っ張られ、接触面との摩擦が生じます。ズレが生じると血管がよじれつぶされてしまい、血流の低下や細い血管の切断につながり、褥瘡発生の要因となります。
例としてはギャッジアップの場面が想定されます。個人的に足上げをせずに背中の方だけ上げてしまっている場面を時々見かけることがあります。足上げをせずにギャッジアップを行うと身体の表面の皮膚は伸びる方向へ、マットレスとの接触面は縮む方向へ力がかかることでズレが生じてしまいます。
ズレを最小限に抑えるためのギャッジアップの手順は以下の通りです。
①ベッドの曲がる部分と股関節(大転子)の位置を合わせます。種類によっては三角の印がベッドの側面に表記されているものもあるため確認して見て下さい。
②足を上げます。ベッドに足上げ機能がない場合にはクッション等を膝の下に入れます。
③頭の方を上げていきます。一気に目的の角度まで起こさずに、②と③を数回繰り返すようにして起こしていきます。この時背抜きの実施を忘れず行ってください。
身体的・精神的な苦痛へと繋がるズレは背抜きのひと手間で、解消することができます。目的の角度となったら、再度背中、足、殿部の順序で背抜きを行うところまでを一連の流れとして行うようにしてください。背抜きといいますから、背中のズレを解消することは忘れにくいと思いますが、特に体重のかかる殿部(仙骨部)の背抜きを忘れないようにしてくださいね。
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【注意】
本ブログの掲載記事は,個人的な見解を含んでおり正確性を保証するものではなく,
当院および当科の総意でもありません.
引用や臨床実践等は各自の判断と責任において行うようお願いいたします。
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褥瘡(床ずれ)は骨の突出部に発生しやすく、特に仙骨部に好発しやすいといわれています。仰向けで寝ているときには身体の重さが仙骨部に最もかかりやすく、全体の44%程の割合を占めています(褥瘡予防 治療ガイドラインより)。かなりの重さがかかっていますね。 褥瘡の発生要因ですが、全身的要因、局所的要因、社会的要因など様々な要因が重なって褥瘡の発生に繋がります。中でも、大きな要因の1つになり得るのがズレです。
何らかの理由でズレが生じると、骨はその場に留まろうとし、表皮はズレ力に伴い引っ張られ、接触面との摩擦が生じます。ズレが生じると血管がよじれつぶされてしまい、血流の低下や細い血管の切断につながり、褥瘡発生の要因となります。
例としてはギャッジアップの場面が想定されます。個人的に足上げをせずに背中の方だけ上げてしまっている場面を時々見かけることがあります。足上げをせずにギャッジアップを行うと身体の表面の皮膚は伸びる方向へ、マットレスとの接触面は縮む方向へ力がかかることでズレが生じてしまいます。
ズレを最小限に抑えるためのギャッジアップの手順は以下の通りです。
①ベッドの曲がる部分と股関節(大転子)の位置を合わせます。種類によっては三角の印がベッドの側面に表記されているものもあるため確認して見て下さい。
②足を上げます。ベッドに足上げ機能がない場合にはクッション等を膝の下に入れます。
③頭の方を上げていきます。一気に目的の角度まで起こさずに、②と③を数回繰り返すようにして起こしていきます。この時背抜きの実施を忘れず行ってください。
身体的・精神的な苦痛へと繋がるズレは背抜きのひと手間で、解消することができます。目的の角度となったら、再度背中、足、殿部の順序で背抜きを行うところまでを一連の流れとして行うようにしてください。背抜きといいますから、背中のズレを解消することは忘れにくいと思いますが、特に体重のかかる殿部(仙骨部)の背抜きを忘れないようにしてくださいね。
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