東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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第19回日本言語聴覚学会

2018年07月12日 | 学会活動・論文投稿
6月22日、富山市で行われた、第19回日本言語聴覚学会に参加をしてきました。富山市は、遠くに雄大な北アルプス立山連峰をのぞむ城下町です。私は、初めて富山市を訪れたのですが、路面バスなどの交通網が整備されており、街の中の移動はとても円滑に出来ました。

 私は、本学会にて、摂食嚥下機能評価および指導を行った、筋ジストロフィー患者さんの一例について報告を致しました。神経筋疾患の患者さんの摂食嚥下障害は緩徐に進行し、患者さん自身も気が付き難い傾向があります。また、窒息や誤嚥性肺炎などの重篤な問題が生じるまでは、「好きなように食べたい。」という思いを抱いていらっしゃる患者さんが多く、食事形態の変更などの指導は慎重に行うことが必要です。今回、担当させて頂いた患者さんも、指導内容について、受け入れは不良でした。そのため、最初は一般的な摂食嚥下機能の知識について説明を行いました。それから、嚥下造影検査の映像を実際にお見せし、患者さんの現状の問題点について説明をしました。患者さんが受け入れ不良であった指導内容については、患者さんの思いに配慮をし、代償的な手段の導入を勧めました。結果、徐々に指導内容が受け入れられ、肺炎や窒息などの報告はなく、その後も経口摂取を継続されました。

 現在、筋ジストロフィー患者さんの摂食嚥下障害に対する、実際の指導方法についての報告は少ない状態です。今後も、このような指導実績を積み重ね、なるべく長期間、美味しく安全に経口摂取を継続して頂くための支援が出来るよう、私自身も研鑽をしていきたいです。




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