今回はRespiratory Movement Evaluation Tool (RMET)と呼ばれる呼吸運動の評価手法を紹介したいと思います。これはFiber grating(FG) センサーという技術を応用して、胸郭・腹部の呼吸運動を評価する手法として、当院の医師と理学療法士が企業と共同開発を行ったものです。
従来の手法ではテープメジャーを使用して評価する胸郭拡張差の評価が広く使われていましたが、左右差や各胸郭・腹部の運動について細かく評価することが困難でありました。また三次元動作解析やCT/MRIを用いた手法では簡便性・侵襲性の面で課題がありました。
RMETでは臥床した状態で13個の反射マーカーを置き、CCDカメラで撮影することで非接触の状態で非侵襲的に呼吸運動の解析を可能にしています。
当院で健常者・筋ジストロフィー患者での信頼性・妥当性の検討を行い、現在患者さんを対象とした様々な研究が行われています。信頼性・妥当性の検討についてはrespiratory careという雑誌でFeasibility of a Respiratory Movement Evaluation Tool to Quantify Thoracoabdominal Movement for Neuromuscular Diseasesという題で発表されています。
詳細なことが知りたい方はそちらを参考にしてください。
そんなRMETについて実際にどのような形で使用され、どのようにデータとして現れてくるのか、紹介していきたいと思います。現物はこのようなものとなっております。
上記でも記載しましたが、測定は背臥位で赤外線反射マーカーを13か所(胸骨切痕、左右肩峰角、第4肋骨の高さの胸骨上、左右腋窩外側、剣状突起、左右肋骨下部と鎖骨中線との交点、臍部、左右上前腸骨棘の中点、左右上前腸骨棘)に貼付して行います。そしてPC・赤外線投射機・カメラ・ライトが一体化した機器を下の写真のように設置し準備は完了です。測定は胸骨を基準として増減を表しています。
実際に測定を行うと以下のような形で表示されます。
上記の写真は胸郭・腹部を6領域に分けて円の大きさで胸郭・腹部運動の大きさを示した動画とそれらを折れ線グラフで示したものが写っています。このように表すことで視覚的に簡便に胸郭・腹部の動きを捉えやすくしていることは大きな特徴の一つです。また同時に数字のデータとしてエクセル上に各時間毎の胸郭・腹部運動について記録されるため、研究データとして利用することも可能となっています。
このように各領域別で表記されたエクセルの生データおよび要約されたエクセルデータ、実際の動画、胸郭・腹部の運動をグラフ化したデータと3種類のデータを得る事ができます。研究データとして解析する際はエクセルデータが有用で、患者さんに説明する際などでは動画付きグラフを使用することで分かりやすく説明することも可能です。
これまではRMETを用いて介入研究としてケーススタディを中心に報告をしてきました。現在当院ではRMETを用いて筋ジストロフィー患者を対象とした呼吸運動についてデータ収集・解析を行っております。今後はさらに他の疾患群なども対象に進めていけたらと考えております。
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従来の手法ではテープメジャーを使用して評価する胸郭拡張差の評価が広く使われていましたが、左右差や各胸郭・腹部の運動について細かく評価することが困難でありました。また三次元動作解析やCT/MRIを用いた手法では簡便性・侵襲性の面で課題がありました。
RMETでは臥床した状態で13個の反射マーカーを置き、CCDカメラで撮影することで非接触の状態で非侵襲的に呼吸運動の解析を可能にしています。
当院で健常者・筋ジストロフィー患者での信頼性・妥当性の検討を行い、現在患者さんを対象とした様々な研究が行われています。信頼性・妥当性の検討についてはrespiratory careという雑誌でFeasibility of a Respiratory Movement Evaluation Tool to Quantify Thoracoabdominal Movement for Neuromuscular Diseasesという題で発表されています。
詳細なことが知りたい方はそちらを参考にしてください。
そんなRMETについて実際にどのような形で使用され、どのようにデータとして現れてくるのか、紹介していきたいと思います。現物はこのようなものとなっております。
上記でも記載しましたが、測定は背臥位で赤外線反射マーカーを13か所(胸骨切痕、左右肩峰角、第4肋骨の高さの胸骨上、左右腋窩外側、剣状突起、左右肋骨下部と鎖骨中線との交点、臍部、左右上前腸骨棘の中点、左右上前腸骨棘)に貼付して行います。そしてPC・赤外線投射機・カメラ・ライトが一体化した機器を下の写真のように設置し準備は完了です。測定は胸骨を基準として増減を表しています。
実際に測定を行うと以下のような形で表示されます。
上記の写真は胸郭・腹部を6領域に分けて円の大きさで胸郭・腹部運動の大きさを示した動画とそれらを折れ線グラフで示したものが写っています。このように表すことで視覚的に簡便に胸郭・腹部の動きを捉えやすくしていることは大きな特徴の一つです。また同時に数字のデータとしてエクセル上に各時間毎の胸郭・腹部運動について記録されるため、研究データとして利用することも可能となっています。
このように各領域別で表記されたエクセルの生データおよび要約されたエクセルデータ、実際の動画、胸郭・腹部の運動をグラフ化したデータと3種類のデータを得る事ができます。研究データとして解析する際はエクセルデータが有用で、患者さんに説明する際などでは動画付きグラフを使用することで分かりやすく説明することも可能です。
これまではRMETを用いて介入研究としてケーススタディを中心に報告をしてきました。現在当院ではRMETを用いて筋ジストロフィー患者を対象とした呼吸運動についてデータ収集・解析を行っております。今後はさらに他の疾患群なども対象に進めていけたらと考えております。
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