東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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第17回埼玉県言語聴覚士会学術集会

2021年06月07日 | 学会活動・論文投稿

5月23日(日)に埼玉県言語聴覚士会の学術集会が行われました。

新型コロナウィルス感染対策のため昨年度は中止となってしまいましたが、

今年度はzoomを利用して行われました。

午前の一般演題は、成人の失語症患者と小児の難聴児の訓練経過の発表、

午後は今回の学会のテーマが“大事にしよう 言語聴覚士の「聴」 ~聴こえ

について今学ぼう〜 ”ということで、 筑波大学名誉教授の廣田栄子先生より

基調講演がありました。

 

我々言語聴覚士(ST)がことばや嚥下(飲み込み)に関する専門職である

ことはよく知られるようになってきましたが、「言語聴覚士」のため、

実は「聴こえ」に関する専門職でもあります。しかし、日々の業務で

聴力検査や補聴器のフィッティングに携わる耳鼻科領域のSTや難聴児の

言語訓練を行っている STはほんの一握りです。とはいえ、回復期病棟にも

難聴の高齢患者さんがよく入院されるので、大きな声で分かりやすく

(大声で言えば良いという訳ではありません!)話しかけねばならず、

検査や訓練にも工夫が必要です。

ところが、そんな難聴患者さんの中で適した補聴器を正しく装着している方は

驚くほど少ないです。補聴器(個々の聴力の特性を計測・分析した医療機器)

でなく補聴器型の集音器(音を一律に大きくする)をご家族が通販などで購入

したものの、「音がうるさくて嫌!」と装着しなくなった人や、耳垢が補聴器

に詰まったり電池切れのまま装着していたりして聴こえなくなっている人

(これではただの耳栓です!)は珍しくありません。

難聴のため、成人では会話が億劫になったり認知機能が低下したり、小児では

言語発達の遅れに繋がる場合もあります。

今回受講して、「聴こえ」について我々STがもっと率先して関わる必要があること、

どんどん進化する補聴器事情を耳鼻科領域ではなくても「耳」を澄まして情報収集

しておく必要があると再認識しました。

Web開催のため、直接県内のSTの皆さんと顔を合わすことができず残念でしたが、

家事をしたり、お菓子を食べたり、寝そべったりしながら、(発表の先生方や役員の

方々には大変申し訳ないのですが)寛いで受講でき、ちょっと得した気分でした。

 


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