東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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筋ジストロフィーに対するリハビリテーションワーキンググループ活動の紹介

2017年02月01日 | 筋ジストロフィー
まず、はじめに筋ジストロフィーとは、骨格筋の壊死、再生を主病変とする進行性の筋力低下を示す遺伝性疾患のことを言います。
日本における筋ジストロフィーの歴史は、1964年に患者(家族)団体(現 日本筋ジストロフィー協会)の社会運動により「進行性筋委縮症対策要綱」が施行されたことを契機に、国立療養所(現 国立病院機構/国立精神・神経医療研究センター)で筋ジストロフィー病棟が開設されたのが始まりです。
当院もその病院のひとつです。
それから50数年が経過し現在、筋ジストロフィー病棟を有している国立病院機構関連の施設は全国に26施設あります。
26施設と聞くと多く感じるかもしれませんが、国立病院機構関連施設は全国に144施設あるので、如何に少ないかがわかるかと思います。

当院では、リハビリテーションの分野でも筋ジストロフィーにおける診療や研究活動を積極的に行い、各学会等で発表している実績もあります。
今後も水準の高い研究やセラピストの育成を目的に一昨年よりワーキンググループを立ち上げ活動をしています。(関連記事はこちらこちら
構成としては理学療法士6名、作業療法士3名、言語聴覚士2名の計11名で月2回集まり活動をしています。

主な活動の目的は、
①最新の治療や動向に目を向け、個人のスキルアップを行う。
②筋ジス医療の経験が浅いスタッフが情報共有、共通理解できるよう評価指標を統合し整理する。
③新入職者、異動者がリハビリの内容を確認できると共に現スタッフがより専門性を深められる資料を作成する。
の3つで、目的に対して症例検討や評価表の作成、ガイドラインの作成を行っています。

症例検討では他職種間で意見交換することで、患者さんを様々な角度から捉え、治療の選択や指導方法の仕方を検討しています。
評価表では、各部門が共通して使用できるスクリーニング用の表と各専門性を活かした評価表の2種類を作成しています。
そして、ガイドラインでは初めて筋ジストロフィーに携わる方のための言わば手引書作りと捉えて頂けると良いかと思います。
これらの活動を通して、私たちは日々進化する医療の中でも質を維持し、リハビリを提供できるよう取り組んでいます。
今後は活動内容や資料など可能な限りで情報を発信できていけたらと考えています。


活動風景1


活動風景2


リハビリテーションガイドライン表紙(作成途中)

C3(OT)

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