東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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「筋ジストロフィーにおけるリハビリテーションの流れと考え方」勉強会 by 筋ジスワーキンググループ

2017年07月04日 | 筋ジストロフィー
6月27日にリハ科勉強会を開催しました。
今回のテーマは、セーフティネットワーキンググループ(WG)活動のうち筋ジスWGの活動および症例報告となります。
関連記事はこちら→筋ジストロフィーに対するリハビリテーションワーキンググループ活動の紹介
筋ジスWGでは、今までの活動の総まとめとして、リハビリテーションガイドラインの作成、評価表の作成、症例検討の3本柱をまとめて、リハ科スタッフで回覧して情報共有しました。
ガイドライン作成は、スタッフ間でニーズを挙げた中から、クリニカルクエッションを積み重ねて、項目を整理しました。
この分野でのエビデンスは限られているため、経験則や症例報告レベルの報告も含めて臨床実践を重視しています。
その結果、全192ページの大作になりました(もはや書籍として刊行できそうなレベル)。
これは、 年々更新、追加して行く予定で、第2版の作成が既に進んでいます。


筋ジストロフィーリハビリテーションガイドライン表紙(科内資料)



ガイドライン目次


次に、評価表作成ですが、PT・OT・STの各分野の垣根を越えて。医学的・リハビリ的に重要な項目をA4一枚に凝縮して情報を蓄積すべく、リハビリテーション共通の評価表を作成しました。
これはST的視点を盛り込んで、比較的簡便に記載できるように、カルテ・問診レベルの情報やスクリーニングレベルの項目で構成してみました。
評価表はフォーマットを作っただけでは、その意義や解釈までは伝わりません。
特に評価の目的や解釈を説明しないと、経験の浅いスタッフにとっては身にならないことから、評価表の取扱説明書も合わせて作成しました(全40ページ)。
これに加え、PT評価項目に特化した評価表、OT評価表(これは既存のもの)を作成し、筋ジスのリハ経験があまりないスタッフでも漏らさずに情報収集できるものになっていると思います。
これらの評価表は基本的に、筋強直性ジストロフィーを除いたものであるため、今後は筋強直性ジストロフィーに特化した評価表をはじめさらなる充実が図られています。


筋ジストロフィー評価表(共通)表紙


最後に、症例報告ですが、個人情報が含まれるため細かい説明は省きますが、必要に応じ自由に症例を挙げて検討・議論を行っています。

最初の話に戻りますが、これら様々な活動の集大成として、一事例の報告を軸とした基本的なリハビリテーションの進め方、考え方について発表を行いました。


勉強会スライド表紙


勉強会スライド俯瞰


多くのスタッフの臨床の助けとなるべく、またどんどん外部に情報発信ができるようにこれからも活動を続けていく予定です。


勉強会風景の写真

M1(PT)

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