東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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難病研修会「埼玉神経難病生活支援の会」のご報告

2017年02月10日 | 神経難病
以前にこちらのブログでもご紹介させて頂きました『埼玉神経難病生活支援の会』研修会が1月28日に開催されました。
会を発足して初めての研修会でしたが、定員を超えるたくさんの方々にご参加頂きました。

「ALS当事者の語り」では家族性ALSであるKさんが、ALSである母を小学生の頃から介護してきたこと、そして自身も発症し介護される立場になって思うことを語りました。
子どもの頃は病の母の介護は自然なことで大変だと思うよりも「お母さんが死んでしまうかもしれないことが何より怖かった」そして自身が介護される今になって「周りの人に迷惑をかけたくない、という母の気持ちがわかった」それでも「支えてくれる人がいる限り頑張ろうと思う」。一番つらかったのはALSと診断されたとき、そして「今までできていたことができなくなるとき」だとKさんは語ります。
現状治療手段がなく、進行する病である以上何かができなくなることを受け入れてもまた次の困難に直面する。
その日々を私たちはどのように支えられるのでしょうか。
Kさんは1月から新しい生活を始めました。
居宅介護、重度訪問、自薦ヘルパーなどの制度を使い24時間の介護体制を整えました。
そのknow-howに私たちも学ぶところ多く、参加者からそういう制度があることを知らなかったという感想もありました。

「スイッチ適合講習」では別名スイッチの神様、日向野さんの講演です。
ひとつのスイッチが操作できるということは重度の難病者にとって非常に大きな意味をもちます。
会話をする、家族を呼ぶ、パソコンをする、TVをつけてチャンネルをかえる、家電を操作する・・・これらのことがスイッチ1個で可能になるからです。
進行とともに動かせる体の部分が限られてくる難病の方へどのスイッチをどのように設置するか、筆者らも日々悩むところですので日向野さんの講演は目からうろこでした。
講演で紹介されたスイッチは会場に展示され、参加者の皆様にも実際に試用して頂きました。
このスイッチ体験では当院OTがスタッフとして携わり、参加者の方々に機器を紹介指せて頂きました。

以上、会の様子を一部ご紹介させて頂きました。
埼玉神経難病生活支援の会は、当事者や支援者のつながりを築くことも目的としています。
研修会は知識技術の共有はもちろんのこと、日々難病に生きる人の思いや家族の思い、そして支える人々の思いをも共有する場として在りたいと思っています。
難病の方とそのご家族を孤独にしないためにできること、職種問わず各々の専門性を活かして考える会になればと思っています。
参加してくださった皆様に心から感謝申し上げます。


講演風景1


講演風景2


スイッチのデモンストレーション風景

C2(OT)

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