音楽:J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048 第1楽章
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■弦楽器が九部からなる異色の弦楽合奏曲
一般的に協奏曲というとピアノやヴァイオリンなど固定の楽器と、
それに対して伴奏的な管弦楽のかけ合いというイメージですが、
ヴィヴァルディやバッハの時代にはソロをひとつに固定せず、
管楽器も含めて次々と独奏が替わる合奏協奏曲が全盛でした。
宮廷お抱えの専属楽団には腕利きの名手が多く、
そうした奏者たちが自慢の技術を見せる場でもあったのです。
ブランデンブルク協奏曲も原題を「種々の楽器のための協奏曲」といい、
各曲ごとにソロを担う楽器が違う合奏協奏曲の一種です。
独奏楽器群はフルートなどの管楽器とヴァイオリン、
合奏楽器群は弦楽合奏と通奏低音というのがオーソドックスなスタイルです。
ただバッハは第5番で当時通奏低音に過ぎなかったチェンバロを前に出すなど、
その後のジャンルにも影響を与えるような革新的な試みもしています。
第3番は協奏曲的な趣きもなく、弦楽合奏と通奏低音のみのユニークな編成。
具体的にはヴァイオリン3、ヴィオラ3、チェロ3の弦楽器九部に、
通奏低音としてヴィオローネとチェンバロという異色の作品です。
弦楽器のみがこれだけ濃厚に絡み合う合奏曲も珍しく、
三部からなるヴァイオリンのかけ合いも楽しい弦楽合奏曲の傑作です。
(クラシック名曲サウンドライブラリー)