旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

スーパーカブでタイ=エピローグ

2007年12月02日 | 旅の風景
今回は特に体調を崩す人を出す事もなく無事全員日本に帰ってきて、しかも終わってみれば当初の机上のプランよりも広い範囲を巡るまでできたスーパーカブで走破するタイ北部山岳地帯ですが、参加していただいた方には私の狙いどおり、多くの体験をしていただく事ができたでしょうか。

私自身としては、ずいぶん駆け足な旅ではありましたが、それでも旅の入り口へはご案内できる程度のエッセンスが詰まっていたのではないかと自負しています。

この企画、もともとは便利さと引き換えに自由を失っている事に気がついているけれども、自由への一歩を踏み出せないような若い方を対象とする企画として考えたものであったのですが、参加していた方が私よりも年配の方であった事は正直、意外でしたし、バックパッカー的な旅のスタイルに、それなりに順応していただけた事も印象的でした。

同じ企画を来年の2月10日から1週間で予定していますが、同行する私が今回、ある程度の情報を頭に入れてしまったため、今回ほどの行き当りばったりは起こす事ができません。その分、少し違った趣向を凝らす事を考えていますが、その内容は参加していただいてお確かめください。

いずれにしても、不便で、面倒で、疲れて、汚なくて、それでいて"自由"な旅にご案内いたします。

次は若い方にも参加していただきたいなと思いますが、どうでしょうか。少しばかりの便利さの代償に自分達が日々失っているものを実感するには良い機会になると思いますが、まあ便利さを捨てられない人も多いでしょうから皆さんが選ぶ事ですね。

旅先としてのタイはそれほど過酷な場所ではありません。基本的に日本で手に入る物はなんでも手に入りますし、衛生状態もずいぶん改善されたというのが私の印象です。ほぼ20年振りの渡航で、どれほど変わっているか心配もしていましたが、確かに治安は悪化しているようにも思え、貧富の差が広がってもいるように思えたけれども、それでも私にとっては長年留守にしていた故郷に帰ってきたような安堵感を感じさせてくれましたし、日本で抱えている数多くの悩みを忘れさせてくれるようでもありました。それは旅先で会ったタイの人々の明るさと包容力の成せる技だと思います。

そして、そういう事を日々、身近に体感させてくれる事が、格安ツアーなどとは違ったバックパッカー的な旅の良さであり、スーパーカブの良さでもあると思います。


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